オークランド博物館は、ウェリントンのより規模がでかい。
オークランダーの主要な人種の文化背景の展示、
産業革命以降のデザインのコレクション、
マオリやポリネシアの芸術文化の展示、
最上階は第一次、二次世界大戦での戦没者の慰霊碑があり、戦争関連の展示がしてある。 (そこには日本のブースもある。 零戦も展示されている。 そこは結構泣ける。 はじめて行った時はボロボロと涙が出た。 その話しはまたいつか。)
オークランド博物館のマオリ及びポリネシア系のコレクションはすごいよと言われていたんだけど、本当にすごかった。 ウェリントンの博物館との力の差を感 じた。 ウェリントンの博物館は、正直ちょっと審美眼が弱い場所なので、「ここで見た物をマオリの全てだと思っては絶対いけない」と直感で思っていたんだ けど、本当にその通りだった。 すっばらしかった。
やっぱり美術館とか、博物館ってなんだかんだで、力のある物を集めなきゃいけないと 思う。 物としての輝きがあるものを集めなくては駄目だ。 輝きがあるものは、雄弁に語りかけてくるもの。 なんでも適当に集めて、その横にテキスト置い たから多弁ですっていう態度では絶対にいけない。
初めて見た魅せられるマオリの彫刻達を見ながら、「やっぱりな、やっぱり、芸術がない文化は無いんだ。 優れた物には全部似たような力強さがある。」と本当に不思議な気持ちになった。 優れた物はなんだか似たオーラに包まれている。 なんなんだろうね、これは。
大概のマオリの彫刻とかは元々嫌いじゃなかったけど、今回は「好きっ、っていうか言葉に出来ない。圧倒。」って状態になった。 素晴らしかった。 尊敬した。
ウェリントンの博物館にある物達は、政治的に正しい状態にする為に展示してありますっていう程度で、作品数も割かれているスペースも広いのにあんまりピンと来る者が無かった。
「人々はなんでだか分からんが、すごい物をどこでも誰でも作り出す。」という信仰があった私は「なんかおかしいぞ。 なにかおかしい。 どれもこれもB級のレベルにしか思えない。 本当に彼らの文化ってその程度なのか? ってかそんなの文化なのか? そんな人の集団ってあり得るのか? なんなんだ、誰か教えてくれ! こんなにクラップな物ばっかり何百年もこの人達は作ってきたのか?!」と混乱していた。 7年程、毎回行く度に「本当に、これが人類の宝として取っておかれる物なのか。 未来に残せる物はこれしか無いのか? それとも私がおかしいのか?」って思い続けてきたんだよね。
すっごい人種差別者と思われながらも、友達に「マオリの文化には物を作り出す事によって、何か突き抜けようとか、光悦を得ようとかって発想は無かったのかなあ。 生気も覇気もない。 君は好きだって言ってたけど、本当に? 政治的に正しくいようとしてるだけじゃない? 見てて、体が驚いたり、目が離せないってなったりしてんの?」と聞く度に、白い目で見られていた。
でも私は間違えていなかった。 やっぱりどの場所でも人はすごい物を作る。 マオリの文化の芸術は外のどれと比べる事も出来ないほどに素晴らしく、そして外のどれとも共通して素晴らしかった。 そして、ウェリントンの博物館はそれを全く収集できていない。
この発見は私を元気にしたぞ。
そういえばアジアの美術のセクションで日本の物として展示されていたのは、去年のギャルソンのコレクションだった。 やっぱりな。 ものすごく素敵な、素敵なドレスでした。 川久保玲は日本の宝だ。
2 comments:
昨日、私もソウルのNational Palace Museumと、National Folk Museumに行ってきたよ。現代美術に疲れて足を運んだわけで、より感じられるものがあってよかった。時間を超えて伝わるのって、すごいと改めて思った。
ところで、ギャルソンって、1973年設立だそうです(スと同じ年だ)。そして、去年韓国(ソウル)にも入店。どちらもどうでもいい話だけどさ。
勿論、sookも日本の宝でしたよ。 こちらに滞在して下さっていた時期は。 1973年生まれ熱いね!!
私もそのソウルの美術館達行った。 すっげーいいよ。 物の力出まくりだった。 気品!
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