2007-05-31

来る者拒まず、去る者追わず

こんな言葉があったのねと驚いたのが「来る者拒まず、去る者追わず」。
知らなかった考え方に出会うと、世界は広いと思わさせられる。

私もそうでありたいと思った、来る者を拒み、去る者を追う冬の夜。

かけがえのない物事はなんなのかと、今考えている。

「かけがえの無い行為です」とある人が言った時、それを聞いた私は様々な領域をこえて世界を感じて、そして魂が震えた。 それ以来、結構日常の節々でその事を考える。 

別にかけがえのない存在がある事にファンタジーを持っている訳ではなく、ただ知っているから考えてしまう。久しぶりに、炭のような気分になって、ちょっと面白かった。

2007-05-30

暇つぶし

電気を流して銅を他の鉄にくっつける遊びをした。

こういう

負ける気がしねえ

面白かった。

負ける気がしねえ!






2007-05-23

なんてこった

今日家で、スムーズだよなあと感心していた。 

何がスムーズかというと、この家自体のことなんだけど、もめ事もほぼ無く、幸せな状態でずっとある。 大学一年生の時と比べると、信じられないぐらいにスムーズ。 その時にも一緒に住んでいた子との事とかを思い出しながら、「お互いに成長したなあ」としみじみとした。 二人とも、親元を離れて、違う町で頑張ってきたのね的な気持ちが湧いてきたりしたのよ。

で、ふと数秒後に気がついたのは、この家の平和をかなりの面で担っているのは今回初めて実家以外で住んでいるケレン君(ほぼ全ての実務担当)であると言う事と、もっと恐ろしい事に、私は何となくみんなと同じステージだと思い込んでいたけど、すでに実家を出て十二年目の”その道のプロ”であるという事だ。 なんてこった! 私は十二年間かけて、人と一緒に生活して行く事を学んでいたのにも関わらず、結構にuselessだぞ。 「っむ、向き不向きがあるのね」と一人で納得してみたけれども、恐ろしい事実ですよ。 私はuselessだ! かなり幸せだった相原の生活も、考えてみりゃ歩ちゃんがしっかりしていたから出来ていたようなもんで、彼女だって他人と一緒に暮らすのはその時が初めてだった。 

親には言いにくいけど、彼らが仕込んだ「しっかりした子供を育てる」大作戦は、あまり機能していないのではないか? 寄宿舎とかじゃなくて、単純にボーイスカウトとかでも十分だったんじゃないか? それともこれだけの時間を費やしてもこれだけにしかなれないってことは、いっそやって良かった?

十二年目にして気がついたとんでもない事実でございます。 そんなに広くないこの家で、既に五足の靴下のかたっぽを無くしている私はただただ恐れおののいてしまった…。 

休日になる度に自分で自分をエンターテインできないから、ふがふが言ってドライブに連れて行ってもらったり遊んでもらっているのとか、ちょっとおかしい?! 私は一人で丘の上で瞑想をしながら心の充実を感じるべき? それとも組織を組んで、若者らしくボランティアでもするべきか?

ちょっと私自身の人生に疑問を感じてしまったわ。


追記

昔の私は一体どんな人間だったんだろうかと3003年頃に書いていたブログを読み返した。 遊びとパーティーの話しばっか。 あったま軽いんだなあ。

2007-05-22

ある人に電話をする夢を見た。

たまたま電話を見ている時にかかってきたと、着信音が一回も鳴らない状態で電話に出られた。

「今緑色のTシャツの襟を直してた」と「もしもし」とも「どうした?」とも言わず、私が電話の呼び出しボタンを押した0.1秒後に言われた。

「何やってんの?」と聞こうと思ってわくわくと構えていたから、すっごい嬉しかった。


興奮しすぎて目が覚めた。
遊びに行こうと誘おうと思っていたのに、なんだよ、目が覚めちゃったよ。 でも面白すぎて、かなりわくわく。 

「そうだ!あの人に電話をかけよう。 遊びに行こうと誘おう。」と思いついた瞬間ってのは、私の人生の中での素晴らしいかけがえのない時で、数分先の未来が楽しみで仕方なくて、勿論、だから電話をかける時も楽しくって仕方がない。




そんな自分にびっくりした。 とても嬉しかったし、何よりも、こんな簡単な事が私にとって大切なのかと改めて私を知った気がした。 思わず枕元にあった携帯を握って、友人たちに「すっごい夢を見たから、昼間に話すね!」とテキストをして、そして急いでメモを書いた。
上の文章はその時に書かれたメモなんだけど、今読み返しても、そんな瞬間が私の日常に訪れるという事が不思議だと思う。 実は一ヶ月以上前におこったことなので、今偶然そのメモを見るまで忘れていたんだけど、そうか。 そうなのね。 そうだったのねと一人で心しみいる気持ちにでございます。 寝ぼけ眼で「素晴らしくかけがえのない」とかって書いちゃうのね私はと、打ち上げ花火でもあげたい気持ちになるよ。 夢から目が覚めちゃうような興奮があるものなのですね。 不安で眠れなくなる事はたびたびあるけれども、嬉しくって目が覚めちゃった事は産まれて初めてで、今思い出しても、結構ドキドキするわ。

2007-05-21

徹夜になるのは分かっていた

ただ今朝の五時です。
全ての運を私のプリンターに託しながら、こうやって隙間隙間でブログを更新です。

自分のプリンターで印刷している時ってもういてもたってもいられないよね。 だって、何かがあったときにブレームする相手がいないもの。 あっはっは。

ああ、眠い。

こうなることは火を見るよりも明らかだったんだ。 そして徹夜は嫌いだ。

でも、昼間は「今やるぐらいなら徹夜してやりゃあ良いや」と心のどこかで思っていたりするのよ。 変だよね。 人間って変だぁ。 嗚呼、眠い!

そろそろ、同居人が起き始めるよ。 きっと、もうすぐ彼らは起きて、まるで昨日と今日は繋がっていなかったかのごとく振る舞うんだ。 そんな事ないのにね。 樹脂でがっちり固められたかのごとくすべての時間はくっついているんだよ! 

「きっと二人であたふたな日曜日の夜になるんだろうなあ」とお互いきっちりと分かっているのに映画マラソンとかをしてしまった、私の盟友は、今三十分間だけ寝ると宣言して去って行きました。 MSNから…。

二人とも今日は家で作業をしているので、連絡を取り合う為にわざわざMSNメッセンジャーをダウンロードし「おい、お前おわったか?」と頼りあってみた。 ちょっと昔の人みたいな感じで楽しかった。

去年、この状態だったら本当に焦っていただろうけど、今は焦ってすらいない。 
不思議だねえ。


さて、私はここまで書いて、こんな事やっている場合じゃないと必死こいてごちゃごちゃやって、今プレゼンもレクチャーも終わり、元気にやっております。 手の甲に血管が浮いています。 

2007-05-19

映画マラソン

授業が終わった後に、友達とカフェに直行した。 

Deleuze and GattariのA thousand Plateausを読む為の準備として読んでいたFredric JamesonのPostmodernism and Consumer societyとJean BaudrillardのThe Ecstasy of Communicationについてのディスカッションをやったばっかだったから、結構興奮していて、二人でわきゃーってなりながら、強いコーヒーを飲んだ。 

この学期は週が金曜の夜のディスカッションのクラスで終わるからなかなか良い。 そのまま、カフェに行っていっぱい話しても、明日の作業への時間圧がないからね。 

で、「金曜日じゃん! これからどうしよう?」って相談をいつも結構真剣にするんだけど、今週は私の家でヴォッカを呑みながら料理をして、星が見えるから天体望遠鏡で遊ぼうぜって事になった。 だから他のディスカッションのグループにいた子たちが少し遅れて合流してきた後に、私たちはそのプランをプロポーズしたんだけど、「いや、外国からわざわざ送ってきてもらった合法ドラッグが我が家に到着したから、それを吸いながらだらだらするって決めているんだ。 お前らもフィッシュアンドチップスを買ってきて、一緒にやろうぜ。」と誘われる。

とりあえず一回カフェで解散した後に、「あんまりやりたくないよね。 とりあえず映画でも見てこようか。」と元々一緒にいた友人と適当に入った映画館でパンズラビリンスを見た。

期待も無く、きっと子供だましだろうと思ってみたんだけど、とても面白かった! 日常的に好きなタイプの映画じゃないんだけど、とってもとっても面白かった! 私はびびりだから、椅子の上でのけぞりかえって、じたばたじたばたして、最後はもうもだえ苦しんだんだけど、映画としてはとても面白かった。 コンパクトに良くまとまった映画だと思う。 たまたまディスカッションの最中に「拷問」という言葉が言葉として伝えられる事は、経験とは重なり合わないだろうという話しが出ていたんだけど、結構その事とかを考えた。 暴力とか流血とか痛めつけられた身体とかを生々しくそのまんまに映した映画なんだけど、考えてみたらこんなに人体が暴力によって変形していくプロセスを見たのは初めてで、ちっと頭にガツンときた。

良い映画を見ちゃったから余計に合法ドラッグとかをやってソファーの上でぼーっとするのがアホらしくなり一応彼らの家に行ったんだけど、やっぱり私の家で遊ぼうとまた移動した。 なんかそういうしみったれた文化には魅力を感じない。 本当に感じない! 

家でヴォッカを呑みながらBlow up(欲望)と2001: A Space Odysseyを見た。 眠ったり起きたりを繰り返しながらうとうととやっていたら、非常に楽しかったね。 ただソファーの上でらりっているのより、美味しいお酒を呑んでベットの上でこうやって映画を見ている方が絶対に絶対に良いよ。 あいつらださすぎるよ。

さて、Blow upなんですが、無茶苦茶面白かった。 なぜか親に見る事を禁止されていたので、この年まで見た事がなかったんだけど、なんで禁止されていたのかが全く分からん。 凄く良い映画じゃないか。 一緒に見た子は「面白いと言えば面白いけど、全部のアスペクトで面白いとは言えない。 全体的には退屈だ」と言放ったけど、私は全体的に素晴らしく上質な映画だと思っているんですが、これはどういう事でしょうか。(私の誉癖のせいで、「あんなならamazingって言うね」っていうのが略されてannamazingというフレーズが日常的に使われています。 そしてそれは大抵「まあ、良いんじゃない?」ってレベルの物に使われている。 ひどい! 理由も無く誉めている訳じゃないのに! 一応リファレンスはあるんだ!)

2001: A Space Odysseyはほとんど無心の状態になって見てしまった。 寝ても起きても永遠と続く映画2001: A Space Odyssey。 友人もほとんど寝ぼけていて、二人で訳が分からない感じになりつつ見た。 夜中にずっとベットから落ちそうになって、「なんでこいつはこんなに押してくるんだ?!」とちっとうなされたんだけど、相手は回転する塔のようなスーパーマッケットでタスクをこなさなきゃいけないっていうとんちんかんな夢にうなされていたらしい。 

朝ご飯にパンケーキを焼いて、いっぱい食べて、街をゆっくり散歩しながら大学に来て、今から仕事。 思い込みの力を借りようと、月曜日提出の課題が日曜日に提出なのだと己を洗脳しようとしている。 頑張れ、私! でも、今晩も映画マラソンしたいな。 

2007-05-17

持続可能性

 持続可能性を英語で言うと、sustainabilityです。 間違えなくここ数年間の流行語大賞をぶっちぎりで受賞できる言葉です。 工業デザインでだと、ほぼ主役級の言葉と言っても間違えないと思います。

 学生として、今きちんと日々新しく出てくるこれらに関する情報を処理し、フォローしていくか否かが将来の自分の人生のクオリティーに影響を与えるんだろうなあと、猿のような私にも分かる訳です。 そう、ここまでは分かる。 でも、そこから先は分からんぞ。

 小難しいんだよねえ…。 小難しいんだ。 まず、問題から、しかも日々深まっていく問題と対立していく質の行動だからさあ。 チェスをしていると思っていたら実はテニスだったし、しかも相手はボールを一気に百個投げてくるような状況ですがな。 

 例えば、どれだけ環境と共存できる再利用生のある素材を使ったとしても、それを再利用する為の処理が出来る施設の無い地域の場合は、その素材じゃないのを使う方が良かったりする訳で、「この地域のこの時代にあった素材」を選ぶ方法とかから考えなくてはいけない。 (そう考えると、ニュージーランドの場合はアルミが結構いけてる。) この制約の中でどういった独創性に富んだ発想で物を作るかが今の時代の創造性であるって考え方もある。 面白いよね。 パズルのようだ。

 でも、向かい合うと切りがないから、現実逃避で、「そうだ! 私はこれから防衛大学校に入って、ストイックに暮らそう。 よし! 髪を切るぞ。」と先日思い、グーグルしていましたら、防大生の書いたこんな引用に出会いました。

 チャーチルは戦時中、ごくわずかなパイロットの肩に
英国民すべての安全がかかっていた状況を、
「かつてこれほどまでに多くの人々が、これほどまでに多くのことを、
これほどまでに少ない人々に頼っていたことは無い」
とも語っているわけですが、
私の日々の状況に照らせば
「かつてこれほどまでに多くの課題を、これほどまでに少ない知識と、
これほどまでに少ない頭脳に頼ってこなしたことは無い」
と言ったところでしょうか。
——イギリスのことばかり
書きながら、修論はカナダを
扱っている因幡の素兎


 
すっげー、分かるよその気持ち。 これほど少ない頭脳に頼った事はない! 
(後、現実逃避の一環として、日本人の男の子と今日は一緒にお昼を食べた。 とても面白い子で、一緒に遊んでとても楽しかった。 良いね! 現実逃避から広がる新たなる現実。)

あああ、持続可能性…。

ってことで、William McDonoughの著書とかを読んでいます。








単純に読み物としてとても面白い! この本の媒体は、人工のファイバーで出来たプラスティックで、それは何回でも質を落とす事無く再利用できる。 素材からして違うね、こりゃあ。 

McDonoughのはっきりとした考え方は、非常に魅力的。


今日はその他に、今作っている3Dプリンターの為のプレゼンがあった。 メインキャンパスにある工学部に行って、お伺いをたててきました。 工学部はとても面白かった! ロポットを作ってらっしゃってました。 他のディスプリンってどうしてこうも魅惑的に見えるんだろうね。 彼らも彼らがやっていることのプレゼンをしてくれたんだけど、いやはや。 素敵だった。 面白い。 もっと工学部の人たちと仕事がしたいと思いました。 

そしてイタリアから来ているバーチャルアーキテクト(なんじゃそりゃ)の権威のお方の授業を夜受けた。 シカゴ大学とフィレンツェの大学と、私の大学が共同でやっているメディア系のプロジェクトに関する授業で、特殊な眼鏡をかけて、リモコンを持って、ヴァーチャルなフィレンツェを散歩してきたよ。 

ビーンバッグにタイ人のアジアンダンディーな友達とぴったりくっつきあってねっころがり、巨大なスクリーンを眺めながら授業を受けた。 他の人たちはきちんと椅子に座って、レクチャラーはきちんとスーツを着て講義をしているのに、こんなにカジュアルに小鳥たちが親の運んでくれるえさを待っているような姿勢で授業を受けて良いのかなと思い、ちょっと周りを見回したら、私たちを教えている私の学校長の教授も普通に私たちの真横でねっ転がっていたのでほっとした。 って事で、教授と私と彼は家で映画でも見ているかのごとくだらっと授業を受けました。 これがニュージーランドなのだと言わんばかりに。 でも、あはは。 実際の所、三人ともニュージーランド人じゃないだな、これが。 疲れているんだよ。 インダストリアルデザイン学部はいつだって疲れているんだ!

で家にかえったら同居人がMichelangelo AntonioniのIl deserto rossoを見ていたから、思わず一緒にごろっとなって、しばらく見てしまった。 で、途中ではっと我に戻り、今日中にJean BaudrillardのThe Ecstasy of Communicationを読まねばならぬ、明日私はこれについてのディスカッションをせねばならぬと思い出し、焦って部屋に戻った。 そして、読んだ。 なんでこの人はこんなにナーバスなの? (同時代の世の中の人間はエアロビとかをしてミッキーマウスクラブだったんじゃないの?) ってか何で私は感想がそれぐらいしか浮かばないの? ディスカッション中に私が「どうしてこの人はこんなにナーバスなのかね?」って言ったら、バカだと思われるんだろうなあ。 あはは。

とりあえず、こんな感じの一日だったさ。 淑よ、これを読んで、「ああ、こんな事しているのか」と思ってくれ。 じゃーな! 

2007-05-13

黄金色の月曜日


さて、日曜日です。 

今私はミーティングを終えて、素材を手に入れ、チームメイトがレーザーカッターで作業用の台を作っている間の時間の隙間でこうやって文字をあなたたちに落としている訳です。 

今、Rapid prototyperを作るという課題をやっています。 これはチームプロジェクトで、結構面白い。 先生がずっとフィリップスタルク(あの、浅草の黄金のプーの像をお作りになった方ですね)の事務所で働いていた典型的な「面白いことは至上な事だ」な人で、このプロジェクトも、結構その態度がある。 私たちのチームは紐に、人工樹脂を乗せながら積層造形していこうとしていて、そこに根本的にある、何故紐? 何故、樹脂?って所は結構無視されている。 良いじゃん、やわらかそうな紐が、実は固かったら面白いじゃん! しかもそれが凄いスピードで、うねうねうねって立体に出来ていったらなお面白いじゃん。 ただ、まだなんで面白いか分かってないだけさ。


それにしてもさ、私の一緒に仕事をしている人が怖いんだよ!! 

怖いんだよ。 怖いんだよ。

コロンビア出身のカルロス氏と一緒に素材の実験をしているんだけど、彼は多分いい人なんだけど怖いんだ。 入れ墨だらけで、ファッション的には、グッシャのあの双子系なんだけど、顔はラテン系で、ガタイが良くて、なおかつすっごいアメリカンアクセントで、母国語スペイン語で、ストレートエッジだから、麻薬もお酒も全くやらないベジタリアンで、なのに、態度は十分に切れた人なんだよ!  だって、スタイルじゃなくて、本気でストレートエッジなのよ。 存在は知っていたけど、まさか私がそんなコアな人と一緒に紐と樹脂の日々を送る事になるとは思っていなかった。 DON'T SMOKE, DON'T DRINK, DON'T FUCKなのね。 汚い大人にはならないのね。 


人種差別発言とかガンガン言うし、でも「だって、俺もラテン系の移民だもん。」で全てが解決されてしまうし、結構しかも面白いし、でも、でも、私は怖いぞ。 怖がるのは悪いんだけど、いつむかつかれるかと思うと、びびりが入ってしまう。 

とても現実的な人なんだと思うんだよね。 人種差別関連の出来事ってのは山ほどにあるけど、ちょっと簡単に取ったり、どっかで無意識にあきらめている事を、彼はあきらめないんだと思う。 あきらめないで、自分が人から軽く見られる事に抵抗をちゃんとしているし、なおかつ自分が相手を軽く見る事も隠さない。 さすがストレートエッジ。 

中国系の移民三世の男の子に、「お前があの教師から軽く見られているのは人種のせいだ!」ってはっきり言い切ったりとか、普通は言ったとしても、「カルチュアルディッファレンスがあるからね、分かり合うのは大変だよね」程度でしょう。 凄いよ、甘さが無いよ。 

そんな彼と二人でちまちまちまちま仕事をしていて、とても楽しかったけど、気も使った。 もっと心地よい距離感を相手と見つけたい。

小旅行

同居人と、二人で小旅行に行ってみた。

町外れの彼の実家に物を取りに行くついでにプラモデルの展示会と海と山と川と丘と美術館と石切場と電力発電所と楽器屋と中古オーディオ屋とプラスティックの工場とモデル屋と共通の友達の家に行き、すごく良かった。(この半日で回った場所の多さに私は驚いているんだけど、普通なの? 気がついていなかっただけで世の中の人間はこんなにアクティブなのかと己を疑う。)

週末はもう一人の同居人と遊んでいる事が多くて、あんまりこの子とはこういう遊びをした事がなかったのでお互いが良く知れて良かった。 

海辺でバーガーを食べながら、「きれいだね」と風景について話しているってのは、無性に週末らしくて、車の中で二人でくすくす笑いながら「本当に週末だね」と言いあった。 週末だね。



ニュージーランドのランドスケープは素晴らしい。








そうしている間に友達が今年の終わりに日本に来る事が決まり、一人で小躍り。 彼は私と「お互いに作業が遅いけど、手をつないで耐え忍ぼう連盟」を結成し、支え合いながらシリコンを流し込んでいる仲なんだけど、来学期からアメリカに留学してしまう。 君がいなかったら私は一体どうすりゃいいのさと一人途方にくれていたんだけど、日本に来てくれるなら良いさ。 きっと楽しくなる!!

で、金曜から土曜にかけて一緒に時間を過ごした友人たちと一緒にずっと言っていたのが「なんて週末らしい週末なんだろう」って事です。 みんな「週末=やったー! 授業に行かないですむから48時間ぶっ通しで作業するぞ!!!」っていう態度をここ数週間貫いていたから、こういう穏やかな時間にじんわりと涙が出そうなんだよね。 日曜日は「黄金色の月曜日」(友人間ではなぜかそう呼ばれていて、そう、月曜日ってのは48時間あるんです)なので、勿論作業に戻りますが、この週末は本当に素晴らしかったし、週末らしかった。


みんなも良い週末を過ごして下さいね。

2007-05-12

金曜の夜の泡風呂

金曜日の授業はIndustiral design theroy and criticismだけ。 講義が夜にあり、大抵その後は友人たちと学校の横のカフェでビールを呑む。

今回の講義の後半はディスカッションでとても有意義だった。 有意義な講義やディスカッションの後は、いつでも入り口のドアをただ叩いているレベルで物事が通り過ぎていってしまうと感じる。 不思議なもので、いつでも本当にどんな深さに行こうが、方向に行こうが、入り口なんだよね! 今やっているプロジェクトはFluid formがテーマなんだけど、どうしてここ十年ぐらいFluid formが流行っているのかっていう話しをした。 CADの影響っていうのが話しの入り口で、CAD自体の構造とか、それから作れるものが、Gilles DeleuzeのThe Fuldとどうリンクしていくかっていう話しで、まあ、それだけなんだけど、とても面白かった。 多分四回目ぐらいの後悔なんだけど、ああ、The Fuldは日本にいる時にちゃんと読んでおけば良かったと反省。 淑がせっかく薦めてくれていたのに。 

この授業を受け持っているのは元々建築を専攻していたセルビア人の女性の先生なんだけど、インダストリアルデザインに興味を深く強く持っている情熱的な人。 なんだかとても特別。 多分、私がこの学校であった先生の中で一番良い教育者だと思う。 だから良い授業で、私もちょこっと貢献が出来て、とても嬉しかった。

 
なんかみんなで盛り上がってしまい、放課後にビールをガンガン呑みながら喧嘩をした。 それでも呑みたらないよとヴォッカを買って、友人の家に行き、朝まで興奮し喧嘩をしていた。 お互いにお互いの作品へ批評的になり合えてとても良かった。 良い傾向。

そして「怒れるインダストリアルデザイナーのヴォッカの会」のホストをしてくれていた友人が、彼の家にあるジェットバスを使わせてくれる。 しかも泡つき。 とどめにロウソクまで灯してくれたよ。 だからみんなが喧嘩状態になっている間私は一人でお風呂に入っていました。 泡に包まれ、蝋燭の光に灯され、ヴォッカを呑みながら隣の部屋の言いあいを聞いていて、楽しかったね。 奇妙だけどね。 男友達の家で別に用もなく彼のオファーしてくれたお風呂に入るってのは、若干奇妙。 

ぽかぽかになって、彼らのいる怒れる男達の部屋で、私も血流が良くなっているからカッカしながら喧嘩する。 この為の風呂だったのか。 なるほどね。 




お風呂を入れてもらうってのは、それにしても嬉しいし、幸せな事だと思います。

週末らしい週末

 木曜日に大きなプレゼンをしたので、結構気持ちの良い金曜日と土曜日を過ごす事が出来た。

2007-05-09

注射

 シリコンを、型に流し込む時は、注射器が一番良いんだそうです。

私と私の盟友は、二人していつでもとても仕事が遅いので、意外 とそういう「これが一番結局良いぞ」っていう情報をもらえたりします。 なぜならば全部先にやったクラスメイトが失敗してくれているから。 そして、どこ で注射器が売り切れかも、行く前から分かっていたりします。 (遅くて、得するのは本当にそれぐらいです。) 

学校の近くで注射器が買え る所は全部売り切れになってしまっていて(先にやったクラスメイトたちが買い占めた!)、出遅れている私たちがそれを入手できるのは、もはやニードルエク スチェンジとかっていう所だけになっていました。 そこはどんな所かというと、保健所がやっている社会福祉系の施設で、せめて病気とかが注射器の使い回し でうつりあわないように、ジャンキーたちが格安で針やら注射器やらを入手できる所です。 ちゃんと時間外用に自動販売機も外においてあります。

と りあえず、やつれて見えるように、作業着のままげっそりした感じで行ってみたんだけど、入ってみたら超えてスムーズだった。 事前に考えていた言い訳とか 言う余地もなし。 「針はどれぐらいの太さ? 注射器のサイズは? 腕を縛るやついる?」とぱぱぱっと聞かれて、どさどさどさっとぶっとい注射器をもらえ て、なおかつ、使い終わった針を捨てる容器も、押し付けられた。 

いろんな現実がこの社会にはあるのだなと、ふと思った、今日この頃。 日本にもこういう施設ってあるの?




本当に良いやつだよ

同居人が、途方も無く良いやつで、私は涙が出そう!

悪口言ってごめん、小馬鹿にしててごめんと、心から思いました。


何故って? 


それはだね、夜中の十一時半に、別に雨が降っている訳でもないのに、「今こそ、君のいい人っぷりを証明する時だ! 今すぐ起きて学校に私を迎えにこい!」と挑 発してみたら、本当に迎えにきてくれたからだよ。 良いやつだよ。 マジで良いやつだよ。 しかも二日連続の徹夜により、激しい吐き気に襲われている私を 自分の車に乗せるという、その度量。  


素晴らしい。

素晴らしい人だ!  

きっと、後十分ぐらいしたらこの感動を忘れてしまうと思うので、そして日常的に「あいつ皿洗わねえんだよ、何考えているんだよ」とかって言い始めちゃうので、今ここに書いておきます。

私の同居人は素晴らしい! 

私が悪口を言い始めたら、たしなめてくれ。

2007-05-07

ビール

課題がおわらないぞ。

全くおわらないぞ!


週末に大学で作業をしている時は、大抵最後、とりあえず週末だったという事の事実確認の為にビールを呑む事になる。

えへへ。 おわらないし、頭割れそうにストレスフルだけど、ちょっと楽しいね。

のむっきゃねえ。




ぐびぐびっといきましょうや。



よっぱらっているから、自分を撮ってみた。 顔が写りきってねえよ。



様々な作業からの思い出が沢山詰まった作業服です。 すごく有毒です。 この作業がおわったら一応は洗うけど、もう、本当に有毒な物が繊維の間に入り込んでいるのは確実で、ああ、新しいのを買おうかなあ。



欲しいものは何でもおいてある机。 こうやって、飲み物と作業の道具を一緒におくのは非常に良くない事だと分かりつつも、もうビールを呑む為に動くのすらめんどくさい。 そういう時ってあるさ…。





毎回同じペース(他の人と比べてあきれかえるぐらいに遅い)な子。 
本当にこの子がいなかったら、私一人で泣いているわ。 二人で泣く方がなんだか良いよね。 ってことで夜中に二人でさめざめと泣く事が一つの課題につき一回ずつぐらいある。

2007-05-06

今回のローストは、私が当番で魚でした。

美味しかった!

で、デザートで同居人がクレームブリュレを作ってくれたの。 しかも、彼がどっかから見つけてきたアラビア社の容器で。 わきゃー! 美味しかったあ。

それにしてもクレームブリュレってすごい難しい名前ですよね。 いつもクリームデュフレとか、クレームブフレとか適当に言って、「それって、クレームブリュレの事?」って聞き直される。 一体全体、誰が一回でこの名前を思い出せるんだ?




テント

 この写真は私の現実逃避の証拠です。


今日は、家の庭にテントを張りました。 

「そうだ! 部屋になんかいたくない。 勉強部屋のある家になんかいたくないんだ。 テントに住もう!」と、心から思ったからです。 (ついでに 昨晩、無茶苦茶に酔っぱらって、家から日本の友人に電話をして、意味の分からない事を言い、電話を切られて、がちょんとなっていて、勝手に家にいるとろく でもない事がおこると思い込んでいたんですね。 思い込みって怖い!)

一人で住むのは勿論淋しいので、同居人に一緒にテントで暮そうと誘いをかけました。 すでにその時点で一時間以上、園芸センターへの買物につきあ わせていたのに、よくもまあ、その時の私は図々しくもそんな事が言えたものだ。 とりあえず、二人で一週間ぐらい籠ろうと切々と訴えたら、その切実さから か、聞き入れてもらえてとりあえず、やつのテントを庭に作ってみた。

ちょっと満足して学校に行って、とりあえず作業をしたら意外と上手くいって、気持ちがよくて、「ああ! そうか、あのテントは現実逃避だったのか!!」とやっと気がついた。

恐ろしいのは、その時は本当にそこに住むしか無いと思った事で、そして一緒に住んでいる人を平気で振り回した事ですがな…。 なんてこった。 まじできもいよ、こんな私が。

とりあえず、そんな感じで土曜日が過ぎました。

だんだん、提出までのカウントダウンが迫ってきていますよ!

2007-05-01

ヤムヤム

今週のローストだぞー。




美味しいぞー。

えへへ

課題がおわったわ。


部屋が壮絶な状態になっているわ。