2009-02-08

夏祭り

 昨日の夜はオークランドの華僑の人たちがオーガナイズしたラントン祭りで、町中が夏祭りムードたっぷりだった。 せっかくだからと二人でぷらぷら歩く。 

 「現実じゃないみたいだ」と連呼しあう。 結構夢のような空間だった。 街の中心部の大きな公園に大量の面白い形をしたラントンが連なっていて、とても美しかった。 情緒があった。

 そういえば、この間の花火大会の時もこの子と一緒にいたんだよなと思い出した。 その時「今こんなに良い友達といれて幸せだから、次の花火大会の時もこれぐらい幸せでいなくちゃな。 そういう目標にしよう!」と思った事を思い出した。 花火大会じゃないけど、七年ぶりの夏祭りでは確かに幸せでした。 

 屋台が連なっている場所で、お互い思わず物を買いそうになった。 テンプテーションがすごいんだもん。 くだらないけど可愛いラントンとかを手に取る度に、「次に移るときに捨てるだけだから買うな! 自分の魂の自由のために、買っちゃいかん」とお互い自制し合う。 その日の朝まで移住の準備で物の処分と格闘していた彼の発言には鬼気迫るものがあった。 でもお祭りなんだし何か買いたい。 止まらない消費欲。 ってことで花を一輪買う。 うん。 これはいい買い物だ。 ためらいなく捨てられる。 枯れるからね!

 彼と会えて嬉しかった私は終始ニコニコだった。 「本当に笑顔ね」と相手に言われて、「それが最近思うんだけど、よっぽど安心している相手にしかここまでニコニコはできないんだよ。 だってやっぱり笑顔の時って心がすっごい無防備になっちゃうじゃん。 だからいつもは出来ない。 でもニコニコしてないと心が枯れるから、笑顔でいていい時は好きなだけしなきゃだよなあって思ってさー。」と言って、相手はそんなもんかって顔をしていた。 どれだけニコニコしていても大丈夫な相手ってのは、ダイアモンドだ!

 夏祭りを仲良しのクラスメイトとちんたら歩いて、ビールを呑んで、次に引っ越す街の話しをして、本当に幸せだった。 夏だから相手の体もすごく熱くて気持ちよかった。 お互いの腰に回している手が汗ばんで、触れ合っている肩が別の生き物みたいに熱かった。 そんな感じで夜風の中散歩をしていると、ずっとずっとこのまま道が続けば良いと思えた。 だから湾岸と町中をくまなく散歩して、くたくたになるまでホテルに帰らなかった。 もうしばらくは着ないだろう彼のTシャツを着て、二人でベッドに体を投げ出して、音楽を聞きながら、買ってきたアイスを食べて、穏やかだった。 窓を開けると街の騒ぎが聞こえて、夏の風が入ってきて、本当にこんな瞬間を友達と過ごせてよかったと思えたよ!

 結構心底、相手のこれからの幸せと成功を祈った。 これから彼に山ほど良い事が訪れますように! すっげーワンダフルな彼女が出来て、どんどん彼を愛してくれますように。 もっともっと良い男になりますように。 寂しい思いをしませんように。 二人ともちょっと頑張れば航空券が買えるような社会的状況にいれますように。 要するに、二人ともまともな人間になれますように!! 食いっぱぐれませんように!

 いびきをかいて寝ている相手を見ながら「これだけ祈ったんだから大丈夫だ。」とやるだけやった感を感じた。 これで上手くいかないはずが無い。 クラスメイトの女の子がわざわざ、こんなに祈ったんだもん。 大丈夫だろう! ちょっと失敗したり痛い目にあっても、なんだかんだで立ち直れるだろう!!

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