2009-02-27

トマソン

 高松次郎を愛する私は勿論赤瀬川原平も激しくリスペクトしている。 

 ハイレッド・センターってでかでかとかいてあるTシャツどっかで売ってないかなあ。 作ろうかなあ。

 ってことでトマソン的なものにも私は弱い。 超芸術を私も発見したいです! 日々そこらへんの完成は尖らせてたいね。 別に変な物が見たい訳じゃないんだ。 純粋なものが見たいんだ。 

 人柄でも社会に対してトマソンっぽい行動をとってしまう人に強く惹かれる。 その噛み合ってなさに純粋さを感じるからだろうか。 まるでモノ派のように尊く美しい存在だと思えるのよ。 ただそこにある物体。 ただ行われた行動。 なにか機能があるようでない。 ただそれゆえに、なんだかの心の回路を刺激される。 トマソン!

 ちょっと昨日は会社の事で頭がこんがらがったので、昔好きだった子に連絡をとった。 助けてくれコールだ。 相手はバーで思いっきり騒いでいたらしく(まあ人生ってのは短いもんですし、青春は新幹線のように駆け抜けていく訳ですから好きなだけ騒ぐがよろしい。 遊べ! 遊んでくれ、好きなだけ!!)うるさくて聞こえやしないからかけ直すことにした。 
 
 そうしたらさすが変人、「パソコンにメールして。 それでいつ話すか予定を立てよう。」と高らかと宣言された。 面接かなんかなのか? 「うわっ、めんどくさい」と思った私は、とりあえず状況を説明したメールを送った。 質問の箇条書き付きのを。 「一個一個返答して下さい」と返答の仕方の説明文までつけて。 (私も変人かもしれない。) とりあえずこれに全部回答してくれたらコミュニケーションはとれたってことにしようっていう作戦だ。

 結構丁寧な回答が来た。 っが、一般常識レベルのことを聞いていたメールなのに(例えば上司との付き合い方とか)、そしてただ聞いてほしかっただけって面もあるのに、根絶丁寧に全部の回答に適切な論文のPDF付きの返事が数時間以内に来た。 しかも「この人に聞いてみたらいかがでしょうかリスト」付きで。 うわー、変人! 

 そんなんどこの誰がわざわざ読むんだよ。 何無駄に知識のひけらかしをしているんだと呆れる。 「お前なんて相手にしたくない。 これでも食らえ」っていう嫌味なのか、それとも本気で私がこれらを読んだら何かを学ぶと思っているのか、「上司との付き合い方」っていうレベルの事柄ですら学術論文使って対処しなきゃいけないぐらいに人間関係に技術が足りないのでこんな返答の仕方をするのか、それともそれの全てか、とりあえず見事に変だ。 久しぶりに涙が出るまで笑った。 ちょっと頭おかしくて良いね。 なんかの意味はあるんだと思うんだ。 推理するのも馬鹿馬鹿しいから推理しないけど、相手の中では筋道通った行動なんだよね。

 職場で、ひーひーお腹を抱えながら笑っていた私を見た同僚に怪しまれたから、状況を説明したら、相手も「そんな変な人見た事無い!」と大笑いしていた。 「いつもそんなんなの?」と言われて「本当に、いつもそう。 近くにいると巻き込まれて、世の中こんなもんだと思えてくるぐらいにいつもこう。」と返す。 彼の言動は多くの場合、多くの人にとって、ただのトマソン。 その階段、どこに繋がってるんですか? 

 幸せになってくれ!と思いながら、ある種の満足感と共にメールをとじ、返事をしないメール用のボックスに入れた。 別に文通なんかしたかない。 このメールは私のトマソン。 どこかには繋がってるのかもしれないが、それはその作り手にしか分からない。

 私が彼を美しい人だなあと思っていた一面は、このとんちんかんさも関係していると思う。 トマソン。 「日本にはトマソンっていうコンセプトがあって、まさにそれと同じ熱さで君が熱いと思う。」って言ったら、相手は一体どう思うだろうか。

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