2009-02-18

とどまるところを知らない私の物欲

 多分デザイナーとしてこれはなくさないでおこうとどこかで思っているんだと思う。 それは物欲。 元々物欲は強い方だけど、最近は誰よりも物欲に弱く、物を見るだけでクラックラしちゃう人にならなくてはプロダクトデザイナーとして駄目なのではないかと思い始め、日々物欲に磨きをかけている。 物、ダイッスキ。 同時に中途半端な物は大嫌い。 そこら辺潔癖でいようと思う。 たとえそれで俗物と呼ばれようとも。 だってそれが私の生きる道。 物への愛情と思い入れの無いデザイナーなんて、子供の嫌いな教師位に意味が分からんし社会悪なはずだ。 

 村上春樹が文学とかっていう媒体を通じて抽象的に人とコミュニケートするって程度が自分には一番向いていると言っていた。 これはすばらしい言葉だと思う。 

 ってことで物と頻繁に関わり合い生きている私の最近かき立てられている物を紹介します。 

 製本関係のデザインの仕事を今しているから、出版社のサイトは結構見る。 その中で、全体のレベルの高さにただため息なのがPenguin出版。 元々売り出し方が面白くて、魅力的な事を小出しにガンガンやる出版社なんだけど、サイトもとてもよく出来ている。 面白い企画をやる出版社って生き残る気満々な感じがして好きだ。 やっぱり「僕たちは生きています! 活動しています!」って主張するのが大切なんだろう。

 そしてこの新聞のような構成になっているサイトの何がすごいって、全部のメニューのタイトルに、企業の色であるオレンジでPenguinと入っているところだろう。 やっぱり愛嬌のある名前を企業名にしているとこういう遊びがしやすいんだろう。 リンクからサイトを見てみたら驚くと思うけど、一ページ目だけでも数十回自分たちの名前を面白い感じに連呼している。 会社でも商品名や物事のカテゴリー分けをするときにどうやって企業名を連続的に入れていくかとかってのの検討をする。 最初は響きが変でも三回位聞くと愛嬌がある言葉に思えてくるし、多分ユーザーの立場からしてもそうなんだろう。 言葉はちょっと変な感じ位が珍しくて面白い。 そういう意味では永遠とした謎「なんでこの人たちの企業名ってペンギンなの?!」ってのもよく働いているんだと思う。 くはー、この出版社憎い! 絶対内部の人たち全員オタクなんだろうと思わせる位の、作り込みにやられる。



 

 そして彼らの中で最も優れていたと思うプロジェクトが、Great ideas seriesだ。 初めて書店でこのシリーズを見たときは美しくて泣くかと思った。 











 世界中の思想系の古典を集めたシリーズなんだけど、装丁が半端ないんだよね。 全部レタープレスされていて、高級感出しまくりなのにモダン。 しかも驚くべき低価格(このシリーズは全部赤字になるらしい。 利益を出すためのプロジェクトじゃないんだって。 すごいよね。)。 サイトでは、本の表紙サムネイルにアイコンをのせると、拡大されたのが見えれて、それも美しいから是非是非、リンクに飛んでみてみて。 そして物欲を刺激されて。 このシリーズはかっこいい。 

 
 次に物欲を刺激されているのが「ドイツの最も美しい本大賞」だか、なんだかそんな名前のコンペの記録。 ドイツ語読めないけど、見ながらにんまり。







過去の受賞作品がポップアップで出てくるのがかわいい。 コンパクトに整理されていていいと思う。


 そして、今度はそそられる視覚。 ドイツのブックデザイナーのサイト。 美しい。 なんてミニマル。 見たまんま。 





 最後に私のこっちで最も好きな服屋さんのサイト。 超横長でかわいい!!! しかもかかる曲がCaetano Velosoのcucurrucucu paloma! 出来過ぎです。 最優秀賞。




 この曲とはいろいろな出会い方をしたんだけど、特にTalk to herでなったときに恋に落ちた。 良い曲だ。




全部欲しい!

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