2009-02-08

バイバイ、ボーイフレンド!

 オランダのデザイン事務所でインターンが決まった友達が今日飛び立った。 

 乗り継ぎのため国際線ターミナルのあるオークランドにて一泊しなくてはいけないということで、私と一緒に遊んでくれた。

 我が家は狭くて遠いので、ホテルを取り、ロビーで待ち合わせをした。 大人気分だ! 

 ロビーで待っていたら、遠くからものすごい大荷物の野郎が来たので、こりゃまた大変だと思って見ていたら彼だった。 大笑い。 元々移民で、もうこっちに帰ってくる気がない彼は、八年間分の持ち物を、30kgまでにまとめていた。 頑張ったほうなんじゃないか。 「ここにある物以外、君の持ち物はもうこの国には無いのかい?」と聞いたら、嬉しそうに「全くない!」と断言された。 片付けたね!

 ホテルの部屋でスーツケースやボストンバッグを開けてみたら、懐かしい服が沢山入っていた。  「全部君だぁ」と変な感想を言った。 全部が全部、いろんな時に見たお洒落で趣味のいい服や物で、懐かしくてホロリときた。 これからもこの子をよろしくね、ちゃんと包んであげてねと服に話しかけたくなったよ。

 とりあえずスーツケースの中を写真にとりまくった。 そして携帯の待ち受け画面にして、相手に変態がられる。 あっはっは。

 相手はウェリントンで旧友達に囲まれながら過ごしていた、卒業からの三ヶ月。 そのうちの二ヶ月を日本とオークランドで過ごし、結構孤独にやっていた私は相手にじゃれついた。 なつかしい! 温かいし柔らかいし話しは簡単に通じるし、本当に嬉しかった。

 次の日朝ごはんを食べながら、これからの話をした。 「年内にイタリアで会おう!」とか「30までには絶対にシニアデザイナーになってなきゃだよなあ」とか。 卒業直後と比べ、かなり楽な精神状況で将来の話を出来た。 

 「今回の引越しで思ったけど、やっぱ35ぐらいには引っ越さなくていい家が欲しい。 定住したい。」と相手に言われて、「私もまったく同じこと思った!!! ただ私の場合は30歳だな。 そしてあと二年ぐらいは引っ越しまくりな生活になるとも思ったから、絶対に身軽でいなくちゃとも思った。 多分それの反動だよね。 今から自分の定住する家の事考えてはニヤニヤしてるもん! こんな家具買いたいとかって考えてる。」と笑いあった。

 定住するためには、これからの数年をどうやって過ごすべきかという作戦会議をした。 できるだけ早く何年間も勤めたい場所にシニアデザイナーとして就職する事が手っ取り早い定住への道だろう。 その為には、しっかりとジュニアデザイナー武者修行(もしくはデザイン聖地巡礼)をやり終えるしかないという結果になった。 今引越ししまくった分、きっと定住するときはしっかり定住できる、はず!

 勿論ジュニア時代もシニア時代も全部同じところでやっちゃうっていう手もある。 だけど、なんかそれもそれで特にそうする理由が無いんだよな。 オークランドにずっと住もうとは到底思えないし、だったらもっと放浪しなくてはだ。

 まあ、究極の定住案の一つである自分の個人事務所を開くためには、結構な量のコネクションがその町にいる。 ってことはきっとシニアデザイナーとして働いた事務所がある場所が定住地になるんだろう。 そう考えると今しかこの移住の嵐のような生活は出来ないわけで、だったら楽しんでやった方が良いとも思える。(引っ越し辛いけど。) 楽しんでこの引越し貧乏ライフをやるしかないのね。

 彼とバイバイした瞬間は結構悲しかった。 でも悲しんでばかりはいられない。 大丈夫。 これからも私達はいい友達だし、怖い目にあったり、いろいろと焦ったり、がんばったりを、違う場所でも同じ時期にできるのは素晴らしい幸運だ。
 
 じゃあね、大好き、擦れないでね、難しくならないでね、苦い人にならないでね、元気でねと手をふりあってバイバイ。  

「最低でも10日に一回はなんかの発見をしよう。 もし二週間以上何も発見がない生活を送っていたら焦ろう! 単純に好きだと思えるものをいっぱい見つけよう!」と約束した。

うん、バイバイだ! バイバイ!!! バイバイ! 

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