2009-03-01

世の中には様々な価値観が溢れている。 後開き直りって大切だ。

 依頼された仕事をする時、最も重要なのは相手が何が最終的に欲しくて、それに向けて私に何ができるかを推理する事だと思う。 だから最初は相手のプロジェクトの内容とか性格についてちょっと考える。 「こういうのが欲しいのかな?」とか「こうやったら良いんじゃないか?」とか。 お互いの考え方の癖とか嗜好が近ければ近いほど一緒に働いていて楽しいし、いい感じの領域まで頑張り合える。 もし、結構離れていたら、今度はどうやって説得し合うかが肝になる。 それはなかなかに面白い。 デザイナーの仕事っての半分ぐらいって日々の説得の合いなのかもしれないと最近思いはじめてきた。 ひたすら人を説得しようとし、人の説得に耳を傾ける。 そして残りの半分の仕事は、残ったものをまとめていくプロセスなのね、きっと。  

 それにしてもどれだけ近い感じがする相手に「うわぁー、変わってんなぁこの人。なんでこれが必要だと思ったんだろう?」って提案が絶対にある。 特に私は必要度が95%以上ない部品はそこにある必要無しと思うタイプなので、私的にそこまでそれがそこにある必要に納得できていない物には、激しい疑問を持ってしまう。 ただ、そうすると最後にかなりノイローゼー気味にミニマルで、神経質の固まりな物体が残ってしまったりする。 それは良くない。 反省を活かして、瞬間的に「いやっ、この差を個性とよぶのだ。 世の中にはこういう情報を求める人もいるのだ。」と自制するようにしている。 しかしどう考えても変な価値観で動いてんなあと思ってしまう面は残る。 世の中には様々な価値観が溢れていると思う瞬間だ。 

 その謎な面が生じている動機を見極めて、私的に「こうやって表現した方が良いんじゃない?」っていう風に変えようとする事も出来る。 ただそこまでやっていいものかっていう気にもなる…。 

 そういう時「あの人ならどうするかしら」と数人のデザイナーを思い出してみる。 出来るクラスメイトであったり、尊敬しているデザイナーであったり。 絶対、とことん話し合うだろうなと簡単に想像がつく。 しかも相手にも自分にも負荷がかからない方法でやるだろう。 ううう…、良い物を作る為には"ぎこちなくない人格"ってのがとんでもなく大切なのかもしれない。 それってどっかで買えませんでしょうかね…?

 そういえば私の会社ではある種の開き直りが非常に重要視されている。 結構目から鱗な態度で私は好きだ。 要するに会社ってのは100人ファンがついてくれたら、かなりなんとかなるらしい。 なのでその100人を熱狂させる為にこっちは頑張るべきだって態度だ。 だから「皆様に好かれる為に」とか「これをやったらヴォルーム層を狙い撃ち!」とかってのを全く気にしない。 いかに少数でも熱狂的なファンを狂わせ、歓喜の渦に落とさせ、周りに我々がどれだけ素晴らしいか伝道して頂くかが鍵だ。 そこらへんかなり開き直っている。 そこしか気にしないっていうポリシーが結構貫かれていて清々しい。 私も色々と開き直るべきだよなあと思わさせられます。 目的を定めて、他の場所は開き直るのだアンナ! でないと選択肢が多すぎるし、世の中は様々な価値観で溢れ返っているから迷子になってしまう。 

No comments: