2009-03-16

万年筆 Lamy-Safari-

 万年筆が好き。

 どこで私の万年筆熱に火がついたのかは正確には覚えていない。 本当はおっさん臭い万年筆なんて使わずに、製図用のペンをずっと使っていたかった。 

 ただ元々直線と曲線が交わったりしている形状が好きなので(「好きな形は?」と言われたら、「弧!」って叫びたいぐらいだ)万年筆は形が好きだった。 緊張感があるのに、緩やかで良いと思う。 自然界の美しさを感じる。 伸びかけている植物みたいじゃん。

 特に本体その物もペン先の美しさを反映しているLamyのsafariがプロダクトとして大好きで、密かにこんなに美しい物体が普通に売ってるから世の中ってのはすごいと思っていた。 そして手を出した。 そしたらどっぷりと好きになってしまった。

  たまに文房具屋さんで試してみたかったメーカーのプロダクトを試し書きしてはうっとりしている。 二十代の女なのに、既におっさん。

 結果的に今は二本持っている。 

 勿論モンブランとか、ペリカンのスーベレーン800や1000とかって豪快な買物が出来るようなリッチマンじゃないので、普通にリーズナブルなのを持っているだけだけど。

 オフィスの私のデスクにはペリカンのペリカーノをいつも置いている。 これはペリカンの一番下のプライスレンジのプロダクト。 でもペン先がやっばい上手く作られている。 非常に優れた書き心地。 これは使う度に「優れたプロダクトってこういう事だ」と教えてくれるから好きだ。 こんな物を作れちゃうこの会社はすごい。

 そして日常的には上に書いた、LamyのSafariを使っている。 これは文句なしに物体として好きだから。 一日に下手したら5時間ぐらい握りしめている物なので、好きなプロダクトが使いたい。 結構に綺麗なプロダクトだと思うんだ。 非常に彫刻的。 




 私は定番のイエローを使っている。 


 この間の土曜日、欲しいなあと思っていたSafariの2007年と2008年両方の限定色が一本ずつ売れ残っていた本屋さんに巡り会った。 このプロダクトのボディーの発色は夢のようにきれいで、どうしようもなく物欲が刺激された。 でも別に私はコレクターじゃない。 使わない物は持ちたくない。 自分の今使っているプロダクトを人に譲って、こっちに変えようかなあとかってちょっと考えた。 でもそれだと、07年と08年のどっちを使ったら良いのかがまだ分からない。 だって私は両方にかなり刺激されてしまっているのだ。 

 1分ぐらい考えた後に、2人の友人の顔が浮かんだ。 2人とも、悪くないと思っている人達で、この私の情熱的に関心を持っているプロダクトを受け取るのに適した人達である。

 1人の男の子はとても素敵な字を書く。 そして私と彼は使っているノートが一緒。 まだ知り合って二年ぐらいしか経ってないんだけど、これから10年、20年と緩やかに友達関係が続くだろうなと思っている相手。 いつもすごく綺麗な緑色の物をどこかに持っている男の子なので、ライムグリーンのsafariをあげることにした。 ぴったり!

 もう1人の女の子は物持ちが良さそうな人。 13年間の間、私を見捨てるチャンスは日々あったのにまだ友達。 継続的に人と付き合える人なのだと思う。 物とも長々とやってけるだろう。 それに07年限定の白いsafariを見た時に、「この感じはあの人だ」って思っちゃったんだよね。 このペンもその人もきれいなんだ。 一番旧い友達を、今日もきれいな人だと思っていられるってのはラッキーな人生だと思う。

 「そうしよう!彼らにあげよう!」と思った瞬間幸せ爆発だった。 週末で郵便局が閉まっていたので、月曜の朝一で会社の郵送部に行き、係のおばちゃんに「これ送っといて!」と頼んだ。 あまりにも私が元気よかったから、「プレゼント送るの?」とばればれだった。

 ふふふ。 受け取ったらちょっと自分の事を特別な人だと思うだろうな。 これは「そうだとも、君たちはいつでも特別だ。」っていうメッセージなのだ。 

 兎みたいにぴょーんってとっとと相手の所に届かないかな。

 万年筆大好き。

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