2009-03-23

不安はうつる

 クラスメイトがオークランドに引っ越してきたので、一緒に夕飯を食べた。 まだ仕事が決まっていない彼は心中不安がいっぱいである。 気持ちは分かる。 私が同じシチュエーションだった時、ものすごく不安だったもの。 そしてプロジェクト単位で雇われている私は、soon or laterまた職探しになる。 だから、すごくよくわかる。

 でも不毛な不安よね…。 こればっかりは悩んでいても仕方ないじゃない。 見つかるまでやり続けるしか無いじゃん。

 「どこにも属していないっていう自由が怖いのか、サバイバル出来るかっていうストレスがかかっているのか、どっちが自分を不安定にさせているのか考えてみると良いかもよ」と言ってみた。 これは私が結構考えていた事で、もし自由が怖いと思っている場合は自分をなだめたし、サバイバルに関するストレスを感じている時はやる気に転じさせるようにしていた。 自由が怖いっていう不安を自分を駆り立てる動機に使うと、ものすごい消耗するから。

 彼とバイバイした後、私も呆然と不安定になり、誰かと話したくなった。 これからの人生サバイブできるんだろうかと考えると、ぐらっとくる。 心中を誰かに全部ぶちまけたい衝動に狩られた。 不安は、うつる。 でももしここで私が誰かに不安を告げる電話をしたら、満員電車の中で咳をするようなもんだと思い遠慮した。 それにやっぱり私を不安にさせているのは、職探しをしている間に自分が自信を持ち続けられるかとか、そういう自由をハンドルできるか否かの事柄なので、それは人に「あたし、出来ますかね?」って聞いても聞かれた方が困っちゃうよ。 やるっきゃないだろう。

 自分と全く同じような状況の人が滅多にいないので、話していてもどっかがずれる。 ましてや仕事を探している最中の子に仕事の愚痴やこれからの心配事なんて話してもまともに取り合っちゃくれない。 こういう時は自分と似た状況の人がいてくれたらなあと思える。 たまに、思っている事を人と心から話す事が出来たら、もっともっと良い仕事が出来る人になるんじゃないかと思えるんだ。 でも、案外自分と似たような状況にいる人っていないよね。
 
 たまに全く違う状況を想像してみる。 例えばデザイン事務所とかっていう周りはみーんなデザイナーって場所にいたら、今のインハウスデザイナーとしての就労と全く異なる業務体験になるだろう。 それか大きな所に就職していたら、同期ってのがいたりしてまた違うだろうと思う。 そしてプロジェクトメンバー全員の国籍が違う私の今の職場環境と、チームメンバー全員日本人っていう環境にいても仕事の仕方が変わるだろう。 また、プロジェクトベースでキャリアアップしていくっていう路線じゃなくて、永久就職系の仕事に着いていたらまた全く違うだろう。 国際市場狙いの商品開発と、ドメスティック用の商品開発のプロセスも違うと思うし、会社内で製造するか、会社外でするかってのでも全く違う。 色々と想像してみる。 

 次は私は何を得たいのか、いつから長期的な滞在になる就職をするのか、何個プロジェクトをこなしたら、シニアデザイナーとして認められるようになるのか、そこまでどうやってたどり着いたら良いのか、それに私は半年後にどの国に住んでいるのかすら分からないので、ああ、もう何がなんだか。 

 やっぱり不安ってうつる。 不安をうつしあう友達ではなく、こういう状況をエキサイティングだと思っている子と、興奮をうつしあいたい。 不安プレイは消耗合戦だ。 不安に揺らぐ繊細さよりも、自由と孤独を心底embrace出来るしたたかさと打たれ強さが欲しい。 そんなのは自分に対する無茶な要求なような気もするけど、結果的にその方がめんどくさくない気がするのだ。 会社に行く時は、どれだけ朝起きたくなくても、二度寝するより起きて会社に行った方が後々めんどくさくないってのと同じ感じで。 様々な事は、ただ、もうやるっきゃない。

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