2010-04-06

フラッティング NZ学生編 基本的な事

 フラッティング(日本で言うところのシェアハウス)はnzの大学生達の間では最も普通の暮らし方だ。

 私は30人位の学部にいたんだけど、そのうちの2人が実家、1人が一人暮らし、1人が学生寮に住んでいて、それ以外はみんなおのおのの友達やらと一軒家やマンションを借りて共同生活をしていた。

 NZの子たちの典型的な育ち方は、17歳ぐらいで高校を終了して、一年位ギャップイヤーを持つ、その間に家を出る。 そして働く子は働きだして、大学に入る子は大学に入る。 だいたい18歳位で実家から独立する。

 大学やら、その他の高等教育に行く子は、大抵学費と生活費を国から借金する。 これは国のやっている学費ローンで、利子や期限が無く借金が出来るシステムだ。 そして大学や研究費用を別にして生活費は最大で週に$150借りれる。 返済方法や額などはそのときの政府の方針によって結構変わるので、学生は大抵政治に興味があるし、学生に寛容な政党を支持する。
 
 週$150で暮らすのはかなり厳しいので、実家から週$80ぐらい援助してもらう子も多い。 同時に大抵の子は夏休みの間、アルバイトをして学期間中の為に貯金しまくる。 もし実家の収入がある一定以下だと、返済しなくて良い奨学金を国から週に$220貰える。 また25歳以上も、学費及び生活費が無償で支給される。

 Anyway, この週に$150ってのが重要な数。 これは「絶対にそれ以上の家賃は払わんだろう」っていう数だ。

 大学一年生のときは優先的に大学が管理する住宅や寮に入れる。 大抵五人位の人間で共同で暮らす事になる。 そこの家賃が$120ぐらい。 こういう建物は大学から近いってのと、周りがみんな同い年位の田舎から出てきた大学初心者の子達でパーティーしまくれるって以外に利点は無い。 けど人気。 ”大学の管理下”ってところで安心感があるからみたい。 でも一年後には大抵飽きて自分で家を探す事になる。

 NZには日本のような不動産仲介業者がいないので、探すときは大家さんが出す新聞の広告(週2回まとめてリストになって出る)か、大学の学生部、もしくはtrademe(nzのヤフオクみたいなの)で探す。  今はtrademeが主流。

 trademeに今日載っているウェリントンのワンルームの部屋数は183軒。 大体$200から$300位が相場なので、こういうのはよっぽど人と一緒に住みたくないか、恋人と二人で同棲したいかっていう人向け。 $150以下の一人暮らし用の部屋で広告に出ているのは2軒しかない。

 フラット(一軒家やアパートを人と共有する暮らし方)だと、439軒広告が出ていて、$100から$150位が相場。 $150以下でも187軒広告が出ている。

 気になる家を見つけたら、投稿者にメールを送り、面接の時間を設定する。 例えば4人用の家で一部屋開いているから広告を出している場合、大抵家に住んでいる3人とその家で面接をする。 お互いが気に入ったら入居。 大学の年度が始まる前は家探しの壮絶な戦いになるので、一つの部屋を30人と取り合うとかってのもある。 でものんきなシーズンの間はそんなに難しくない。

 また元々一緒に住みたい人がいる場合は、家を探して大家さんと自分たちのグループが面接をする。

 一番好ましい立地で、好ましい値段で住みたいって時は、同じような要求を持っている友達同士で集まって、一緒に家を探す方が、上に書いたようなもうある場所に1人で後から入るよりも、いい結果になる事が多い。

 でも家の中でまで知人同士の人間関係を持ち込みたくない場合は、知らない人達と住む方が楽。 私は三回知らない人達と、そして三回元々友人だった人達と住んだ。 まあ両方長所短所ある。

 面接の間はこれまでフラッティングをした事があるかとか、どんな料理をするのかとか(肉食か菜食か)、生活パターンとか、そういうのを聞きあう。 これがあわないと生活がめんどくさくなったりするからね。

 そして契約書にサインして(どれが壊れたら誰が直すとか、家賃や期間についてとか書いてある。 要、熟読!)、ボンド(敷金)を払う。 ボンドは、ボンドセンターという役所に預けられる。 契約が終了時、大家さんが「これこれの修理代の為にいくらいくら取りますよ」って書いてきて、それを借り手が承諾したら、おのおのの額がボンドセンターから配当される仕組み。

 もし何か問題がおこったりこじれた場合は大学にある学生部か,市民相談所、もしくはThe Department of Building and Housing(DBH)っていう行政機関に相談する。 大学やDBHのサイト上にはトラブルシューティングが結構載ってるので、よく読めば大抵解決できる。 もしそれでもこじれた場合は、DBHが簡易裁判をしてくれる。 費用は$20。 この裁判はオンライン上で申請できる。 その、裁判って言っても怖いものじゃなくて、本当に村の仲介人みたいな賢者が両側からの意見を聞き、問題解決を手伝うって感じらしい。

 多分、これの大学の学生部と、役所がやっている仕事を日本では不動産屋さんがやっているんだと思う。 だからなのかな。 日本の”シェアハウス”っていうあまりにもパッケージ化された‘商品’に対して、コストパフォーマンス的にも倫理的にもムカッと来たのは。 私が「これは自分か公共のサービスがするべき仕事」って思っている事があまりにも消費文化的に組み立てられていっているのを見てなんかやな感じがした。

 ‘シェアハウス’っていう名前にそれが現れている気がするぞ。 「知人友人と一軒家を共有して使う」とか「他人と同じ家を分け合いっこして使う」って言ったら、そこに業者が入る隙間が無くなる。 だって、ただ家借りて人集めて、約束事を制定すれば良いだけの話になるから。 でも‘シェアハウス’ってなると、なんかちょっと高くなってもそれも若干ありな感じになってしまう。 "青春やら友愛やらを得れますよ"的な付加価値がムカつく。 リクナビやら就活やらと同じタイプのうさんくささ。 「普通に自分でやれよ」って思ってしまう。 まあ、二軒目とかになったらみんなそうするだろうけどさ。 そうなったら面白いだろうね。

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