回顧展をやっているとは知らずに台湾に行き、不意打ちでポスターを見て皆で半狂乱になった。 おおかみーーーー!
私はあまり蔡國強の作品を数見た事ない。 ちょこちょこと見た事がある程度。 越後妻有のドラゴンミュージアムが多分最初に見た彼の作品だな。 他に生の作品は見た事なかったかもしれない。
そして2008年の彼のグッゲンハイムの個展I want to believeの本を読み、結構腰砕けに感動した。 そういえばその日、私は宇宙で一番好きだと思っていた男の子に失恋をして悲しんでいた。 壮絶な気持ちになりながら、蔡國強の爆発映像とかネットで探してみていたのね。 あはっ! 私、結構壮絶さがダイナミック! やっぱ爆発だよな。 私北京オリンピックの爆発も好きでした。
台湾で行った小さなギャラリーにいたギャラリストに「世界で最も優れたアーティストの回顧展です。」と言われたのが印象深い。 「最も優れたアーティストのうちの一人」とかではなく、かなり限定された至高の存在として言われた。 すごい、その言葉遣いの勇気。 最近では見ないね、そういうの。 結構好きだった。
滲み加工がしてあるグラフィックスで、かっこよかった。
写真が取れる場所がメインホールの車の爆発達だけで、もうここでは人びとが狂喜乱舞して写真を撮りまくっていた。 私もご多分に漏れず写真撮影。 ゴージャズ。 もう、このあっけらかんな感じにやられる。 彼の作品は終止あっけらかんとしていて好きだった。 全部表に出ている感じなんだよね。 内側にも勿論深みがあるけど、でも外に出て、外で起こった出来事に重点が置かれている感じ。 爆発ってそういう事だ。
バンバンバーン!
内側は撮影禁止だった。 だから若干盗撮した。 ドキドキ…。 みんなしていた。 そして監視員のおばちゃんに激怒されていた。 それでも懲りずにみんなまたして、また激怒されていた。 すごかった。 展示内容よりもその激怒おばちゃん対観客の構図の方がすごかったとも言える。 それぐらいにみんな盗撮していた。 お国柄? それとも展覧会柄??
このオオカミの作品はずっと見てみたかったから見れて嬉しかった。 もう、テーマもそのまんまなのよ。 ベルリンの壁が崩壊する時の様子を「勇敢なのか馬鹿なのか」ってこのオオカミで表現したらしいんだけど、本当にそうよねー。 もう、本当にあなたってあっけらかんとしているわぁと、ねちっこいむっつりスケベ文化圏出身の私達日本人チームは、そのあっけらかんさに皆で驚く。
この作品と自分の中で強烈にリンクしている曲、Wolf Parade -I'll Believe In Anythingが頭に流れまくっていた。
この曲と、この作品に関しては、一ヶ月ぐらい前に記事を書いていたので、興味があれば読んでみて下さい。 すごい偶然でさ、これについて書いて、十日後に無邪気に台湾に行ったら、本物がたまたま回顧展で来ていたんだ。 素晴らしい偶然のパワーを楽しんだ。 私ラッキー!
ほかの作品も全部見事に開けっぴろげで良かった。 むっつりスケベな私からすると若干物足りない気になってしまうぐらいに開けっぴろげだった。 ただ相手は数と規模で勝負してくるからね。 そこには圧倒させてもらったわ。 台湾で中華圏最強の作家の回顧展が見れてよかった! だって、感動も終わらぬままに小龍包とか食べにいけたもん。 イーハー!