美大生のたしなみとして、わたくし、大陸での展覧会搬出デビューをしてまいりました。
ええ、金田一少年の回りに必ず事件が起こるように、アナウンサーが野球選手と結婚するように、美大生は軍手と共に作品の搬出搬入です。 何も考えていなくとも、何も知らずとも、気が付いたら970Kgの石を運んでおりました。
今回は、アシスタントのアシスタントという仕事でしたが、某武●美関係の方の作品の搬出です。 麗しいことに、日韓の美大生の夢の共同作業で、鬼のように重い石を運びましたよ。
夜はもちろん、焼酎を飲みつつ、肉をつまみつつ、座敷で芸術談義です。 橋本駅前に自分がいるのではという錯覚にとらわれつつも、店員さんがくれば「イエー、ハムサハムニダー」。
韓国の美大生の男の子は、キュートでした。 きびきびしているし、ちらっと見える背中も美しいし、ちょっときゅんとした。
でも言葉が通じないでしょ…。 しゅんとした。 あぁあ。 言葉が通じたら絶対に「今度うちに遊びにいらして」って言ったのになー。 ねーねー、徐道濩についてどう思うって聞くのになー。 でも、軍手して、ジャージ着ていて、頭ぼっさぼさの人にそんなこと言われてもねえ。 っえ? ええ、もちろん、家でも、軍手にジャージに頭ぼさぼさで、ずっと焼酎片手に芸術談義です。 嘘かと思う人は、今度うちにおいでよ。 面白いかもよ。
これをみたら、とりあえず働くよね。
こうやって、物が動く様子なんかを眺めているときに、どうしようもなく感動してしまう。 今まででこれっぽっちもどうしようもなく張り裂けそうな気持ちにならなかった展覧会の搬入及び搬出なんてなかった。 本当に、一つもなかった。 それだけで私がどれだけ幸運な学生なのかがわかる気がする。 作られているときや、運ばれているとき以外でも、要するに鎮座しているときにもその力を発揮する物があったら、それは宝物だろう。 それにしてもこの作品はすばらしかった。 一人で、鼻の頭が痛くなってじんわりと涙が出た。
今回様々なことをこの旅行で知ることが出来たし、体験することが出来たけど、その中でも特に物との関係について考えることが出来て良かった。 私は物と私の関係を知りたくて仕方ないんだと思う。
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