2009-10-21
トンガの住宅地
トンガの土地制度は日本の感覚と比べると奇妙にうつる。 国王の権力がとても強い国家で、カースト制度が色濃い。 土地の所有を出来る人は国王と30人強の貴族のみで、他の平民は彼らから土地を借りて使用する事になっている。 40年契約とかで土地を王侯貴族から借りるのね。 このシステムは商業や税制にも影響があり結果として勿論上の身分の人々に、下の身分の人々は搾取される。 フューダリズム(封建制)が未だに続いていて、この不平等から生じる軋轢が2006年におこった大規模な暴動の根底にある。
この住宅地はなんだかの問題で長期的な土地借用の契約が出来なかった人達が住む一角だ。 トンガタプ島の中でも際立って貧しい一角。 大雨が降ると地域一帯が水に沈む。 この写真の水浸しの地帯は水田とか池とかじゃなくて、ただ下水のインフラが整ってないので巨大水たまりになっているエリア。 水が乾ききるまで長々とこういう状態が続く。 虫がわくし、衛生上よくない。 内部空間一部屋位の、勿論水道も電気も通っていない家に大家族が住んでいる。 トンガの人たちは面白がりやみたいで、外国人がいるとものすごい勢いで手を振って挨拶してくれる。 この住宅地を自転車で通っている間も、一軒一軒の家から「まだ出てくるのか! こんなに人がつまっとったか!」って勢いで続々と人々が出てきて挨拶をしてくれた。 そして子供たちに走って追っかけられる。
この赤白の三角旗はその地域一帯に飾られていた。 去年の戴冠式の残り香。 あまりにも永遠と続くこの三角旗は、現代美術のように見えた。 越後妻有とかにありそう。
この国の本州であるトンガタプ島は自転車でのちんたらサイクリング(+どっかで泳ぐ時間込み)でも四時間あれば横断できてしまうようなサイズだ。 大金持ちのエリアの真隣にスラム、とかって普通にある。 ちなみに暴動した人とされた側の人も絶対毎日普通に道で顔をあわせていると思う。 だって、メインストリート二本位しかないから。 所変わればだ。
初めトンガに行った時、自分が日常的に過ごしている場所との差に混乱した。 今回は混乱しつつもそこで見て思った事を近い人達には話せるようになった。 今回始めてトンガ(というか初西洋文化圏外)旅行をしたパートナーは終止あわあわしていた。 私たちは二人で一生懸命話す言葉を探した。 色々な事柄や状況について、それを言い表す言葉しら知らない事に気がついた。
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