2009-08-03

ウェリントンのダーリンが来たぞ

 結局なんだかんだで、週に一回はウェリントンの頃の友達に会っている。 みんなオークランドにちょくちょく来てくれるから。 今年、私の古い友人界隈ではオークランド見学が流行っています。

  最近ウェリントンへのホームシックが収まり、オークランドが私の街って思えるようになってきた。 やっぱり新しい街に引っ越すってエネルギーいるわ。 で もこういう経験って、人生への最高のご褒美って感じもする。 違う仕事をしに新しい街に住んで、これまで会った事がなかった人達と協力し合うってのは楽しい。 

 だからって価値が下がる訳でもないのが、古き良き友達の素晴らしさ。 今週は連続で幼なじみ達がウェリントンから遊びに来てくれてすっごく嬉しかった。
 
 この間、私を多分最もよく知っている、ウェリントンの夫的友人達が来た。 たまたま女らしい格好をして行った。 カフェでチョコレートムースを買ってもらい、「なんて素敵なワンピースな んだ!そしてなんて美しいブーツなのだ!」と誉め讃えてもらう。 だから私も「なんてかっこいいんだ!なんて素敵なんだ!会う度に素敵になる!!」と誉め讃える。 ここまではいつも通り。

 それで私がヘラヘラ笑いながら「女らしい恰好しようと思って」と言ったら、速攻で真顔になった彼に 「大丈夫? 無理しなくて良いんだよ。 心地好い?」と質問された。 変化を悟ったらしい。 彼はそう言う所をすごく気にしてくれる。 「うん。 女の人 である事がなんか嬉しいし、楽しいんだ。」と返したら、「それなら良かった。 でもやめたくなったり、自分の内側と違うと思ったらやめるんだよ」と言われた。 なんてデリケートな奴なんだ。 「大丈夫? 無理して女性らしくしてない? ちゃんとしっくりしてる?」って気にしてもらい、結構単純に友達に大切 に愛されている実感が湧いて嬉しくなった。 「うん。 大丈夫。 ありがとう、そういう事を言ってもらえるとすごく嬉しい。 友達って感じがする。」と言 いながらじゃれついた。 

 そう言えば、”夫”なんて雄々しい名称で相手を呼んでいるけど、実際私は始めてあった頃から結構頑張って相手 に「君が男の子だからって男らしい事とか役割をする必要は無いんだよ」ってのを示してきた。 大好きな友達だから、そういうのにこんがらがって、めんどく さい奴になってもらいたくなかったんだ。 彼の元来の性格とマッチョな感じなのはあわないし、まわりから求められている事と、自分自身の間の差に傷ついて いるのも知っていたし。 私だってそうだ。 ある一面では女の子としてちやほやされると楽しいけど、本当の所はがっしりとそんな女だ男だってのを抜きにし て、きちんと私を受け入れてほしい。 子供なりに私たちは頑張ってきたのだなとしみじみしてしまった。 子供同士の友情をなめちゃいけない。 今思い返し てみると「それでも嫌な感じの圧力をかけた事があるわ」って反省する事は多々あるけど、お互い成長するにつれて上手に愛情表現が出来るようになっている し、前よりもっと相手を受け止めている。 結構なんだかんだ全部ひっくるめて愛せている気がする。 良い友達だ。 でも、多分彼とかにかなり激しく甘やか されて、お互いを守りすぎて絡めとられたから、お互いこうも「私って女の人なんだ!」ってのとか「俺って、男なんだ!」って体にしっくり来る気づきが遅 かったのではないかとも思える。 そういう意味でお互いめんどくさい成長プロセスを取ってしまったのではないだろうか。 まあ、いろんなプロセスがあると 思って納得しよう。

 また、「これから色々と不安だわ」とか、「どこにどう行ったら良いのかとか、どう選択したら良いのかって考えるとこんがらがる」的な事を言ったら、もう一人の方の友達に「楽しいじゃない」ってかなり声に思いを込めて言ってもらえた。 彼も移民の子で、同じような事を考えて、心配したり、不安になったりしているらしい。 でも、どっかで先が見えないって考えないで、選択肢が多いと思っているんだと思う。 強い子だ。 自分に言い聞かすみたいに、「アンナにある選択肢は全部良い選択肢だ」と言ってくれた。

 お互いがお互いに住んでいる距離が離れていても、ライフステージは似ているし、私たちは大きな幹から枝分かれしたような関係だ。 長い時間を一緒に過ごせないからどうなる、こうなるっていう話しじゃない。 すごく嬉しかった。 これからも大切にしたいし、是非大切にしてもらいたいと思いましたよ。 夫たち万歳。

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