2009-08-21

家の車とビートルズ

 家の車はテープしか流せない。 そして私達はテープを一本しか持っていない。(だって今時テープってどこで買えば良いのかすらわからないんだもの…。) そのテープはThe Beatles 1. 車についてきたらしい。 せめてABBA GOLDとかじゃなかった、この幸運を祝福したい。





こんなにこのアルバムを聞いてる人は、私達とコムサデモードの店員ぐらいだと思う。 昨日もドライブがてらにテープ四周ぐらい聞いた。 (そういえばこのアルバムが出てからもうすぐ十年! 時間が経つのって速過ぎる。)

ビートルズの限られた音楽しかこの車からは流れないのだと開き直ってから、もう大ファンかのごとく大音量で楽曲を流し、隅々のディテールまで聞き込んで、歌詞の内容を話し合ったり、ちょっとしたクレバーな音運びを讃えたりと、ビートルズの修行部屋状態になっている。 オークランドで大音量でビートルズを聞いている車があったら、それは間違えなく私の車だ。

 これしか聞くテープが無いから言う訳じゃないけど、ビートルズは車で大音量で流してちょっとしたソリチュードを味わうのにかなり適した音楽だと思う。 そういう文化の出始めの人達なんだよなと納得した。 私は昔ビートルズのそのグラマラスじゃないっぷりが好きではなく、そんなに共感した事がなかったんだけど、世の中に対して疲れはじめてきた頃から味わいが分かようになってきた。 子供時代への郷愁とか、まわりへのいらつきとか、パートナーへの思いとか、どうしても受け入れなきゃいけない挫折とか、そういうのが妙に似合う、慕情な音楽だ。 聞き過ぎたのか、彼らが作曲をしていた年齢と自分のそれが重なってきたからか、最近何曲かを本当にビューティフルだなあとしみじみと思うようになってきた。 Somethingとか、良い曲だと思う。 あと今さら私が言わなくても、十分過ぎるほど十分有名な考え方だけど、"Let it be"というふうにしか受け流せない事柄ってあるよね。




笑っちゃう偶然なんだけど、今日友達のブログを見たら、ビートルズがテーマの記事があげられていて驚いた。 「うわ、この人がこれ書いている間、きっと私大声でビートルズ歌いながらドライブしてたよ!」ってさ。 しかも彼女の知合いのうちの1人がビートルズの曲の中で一番好きなのはAcross The Universeって言っている人がいるんだって。 うーん、他人とは思えない。 私もビートルズの一番好きな曲はAcross The Universeです。 ぶっちぎり。 これから歳をとったり、自分のいるコンディションによって評価する曲は増えていくと思う。 好きな音楽は増え続ける。 でもいつでもAcross The Universeが一番好きだっていう心持ちでいられたらなと思うんだ。 だって、軽やかで切なくて良い曲じゃん。 歌詞がすごく優しい。


1 comment:

Unknown said...

私も他人とは思えないね。