2009-08-16

頑張れ家人

 社会人になると色々ある。 会社では時折みんなして集まって会食をしたりする。 民族も宗教もてんでばらばらな集団である我が社はそういう時ちょっと苦労する。 みんなして食べれるものってのがないから、どっかから仕出しをしてもらうってのがほとんど無理なのだ。 だから社員皆で食べ物持ち寄りってのが多くなる。 発想としては素晴らしい。 そして実際素晴らしい。 色んな物が食べれて楽しいし、次の日にはスカイプを通じて会社中で「あの料理を作った人は誰? レシピちょうだい!」っていうメッセージがぐるぐる回る。 良いコミュニケーションになっている。 こっち版サワチ料理だ。

 ただ私ぐらいのへなちょこ人間からすると、仕事を終えて家に帰って、それから人様に食していただく何かを作るってのは、レベルが高過ぎる。 一週間ぐらい前から、「うげーー、楽しみだけどやりたくないべやぁ…」って思わず地元の方言でうじうじする。 そういう事に対するやる気が少ないのだ。

 とりあえず一番簡単そうな料理とは何かと考え、アップルパイを作る事にした。 なんか簡単そうじゃん。 会社帰りに材料を買って帰宅。 そして意味ありげにそれらを台所に置いておいて、ふて寝をしてみた。 家人が作ってくれやしないだろうかという期待に胸を弾ませながら。

 いつも予想を上回る単純さで私を驚かせてくれる彼は本当に今回も単純だった。 帰宅後にリンゴを見た彼は、リンゴを掴んでベッドに飛び乗り、「これはどういう意味だ!?なんで我が家にこんなにリンゴがあるのか?」と私を起こした。 「アップルパイ、作っていかなきゃ、明日から会社で立場無い…。 でも作る気もない。 これにより社会人ライフ終了!!」とつぶやき寝返りをうち、背中から惨め感を漂わせてみたら「大変だ! 今から作ってくる。 母ちゃんに電話して作り方教わるから心配しないで!!」と言って下さった。 この人、こんなに気が楽な生き様で世の中渡っていけんのか?と人ごとながら不安になる単純さ。 しめたものだ。 私もすかさずベッドから起き上がり、背後霊のように相手の後ろにぴたっとくっつき行動を観察する。 時既に深夜。 頑張れ家人。 パートナーシップでサクセスだ! 1人の為に皆が、皆の為に1人が努力!

 って事で無事会社のシェアランチの為に私はアップルパイを持ち込む事が出来た。 ただあまりにも芸がない料理だった為、全く人気がなかった。 あっはっは。 すっごいのを作ってきたおじちゃんに「これっておっちゃんが作ったの?」と聞いたら、そうだと言われた。 「アンナのは自分が作ったのか?」と聞かれたので、パートナーが作ったと答えたら鼻で笑われた。 やっぱ、大人ってすごい。 仕事終わって家に帰って、次の日の為のごちそうまで作るとは…。 いつか自分にもそんな芸達者になれるのだろうか。

2 comments:

Lefol said...

黒の口紅の記事と合わせて、また楽しく
読ませて頂きました!
本当に面白く素敵な、のばらいろのひび。

こちらでお願いして良いかわからなかったの
ですが、
もしよろしければ、私のブログにリンクを
貼らせてもらいたいと思っています。

こんな感じなので、恥ずかしながらご確認頂ければ、と思います。
Bric-a-Brac
http://ameblo.jp/bricabrac/

それでは。

Anna said...

Lefolさん

楽しんでもらえたみたいでうれしいです。 どうもありがとう!

是非、リンクを張り合いましょう。

Lefolさんは雑貨屋さんもやってらっしゃるんですね。 アイディアルな仕事だわ。 うらやましい。

可愛いものが沢山あって刺激になりました。