2007-12-27

自由だ!

親知らずから生ずる悲劇に巻き込まれた人達が私の周りには多い。 

話を聞くだけで痛い。 

そして、私のも具体的に痛かった。 

でも認めたくないから、いつも「これはイマジネーション、これはたまたま、私が周りの人達からのストーリーで作り上げている幻想。 アンナさん、妄想が過ぎますよ! はい、終了!」ってやっていた。 

私の特技である「直前まで認めない」の実践ですね。 自分でも強く信じ込むから途中からどっからどこまでが自分の洗脳による技か分からなくなる。 

今日は、うずく歯を抱えながら歯科大付属に行って抜歯をしてきた。 口では「まあ、抜いとくと安心だからね。先行投資だよ、あはは。」と言いつつも、びびりにびびって、親に仕事を休んでついてきてもらう。 だって、本心では「あたし完全に死ぬかも!」状態でした。 

本当に本当に怖かったんだよ! 

言っている事とやっている事と思っている事が全くかみ合っていないから周りから見ると何がなんだかって感じなんだけど、怖かったのよ。 だって、多分、結構、親知らずが痛かったっぽいんだもの。

既に失神しそうな気分で診察台に座り、歯茎に麻酔の注射をされる。 緊張のしすぎで心臓がバクバクして看護婦さんに、「体調が変です。」と訴えるも、「あー、注射した時に本当にアンナさん、硬直していたし、息をしていなかったからでしょうね」と言われて、あまり取り入ってもらえなかった。 頭の中では「げーーーー! このまま変になっちゃったらどうしよう」とくらくらしているんだけど、「そうっすか」とクールに過ごす。 

そして麻酔がききはじめるまでちょっと五分ぐらい待っていて下さいと言われたと同時に熟睡し、何か言われているな、誰かが私の口の中に何かを入れているぞと思いつつ眠っていたら全てが終わっていた。 えええ? なんてアンチクライマックス。 もっと、もっとすっごいドラマと極端に痛い目にあうんだと思っていたら、昼寝しているうちに終わってしまった。

先生に「親知らず抜きにきているのに、こんなに診察台で熟睡できるって凄いねえ」と言われる。 「ビビりすぎて寝ちゃいました。 癖なんです。」と言ったら、呆れられた。 そして、別に何も起こらず本当にそのまま終わった。 料金を払い、処方箋を貰い、痛み止めを手に入れ、完了。 

ついてきてくれた母はてっきり私が泣き叫んで、先生と殴り合いの喧嘩をして、口から血をだらだら流しながら出てくるんだと思っていたみたいで、寝ぼけながら出てきた私をみてきょとんとしていた。 あまりにも私が寝ぼけているから全身麻酔でもされたのかと言い、「いや、奥歯の所だけ。 でもこんなに深く寝たのは始めてってぐらいに眠りこけた。」と返事をしたら呆れられた。 

そして、痛すぎて何も食べれないダイエット+家族からの同情というもくろみもどうやら失敗しそうだ。 帰り道に普通にお腹がすいたからご飯を食べてきた。 

うーん…。 何もかもが予想以下。 


とりあえず、めでたい!


それにしても! それにしても!

親知らずがないってファンタスティック。 このアゴに生じる素敵なVoid.

そう、この空間の広がり。 清々しさ。 自由だ。 今私の口内空間は久々の自由を手に入れた。 愛しの広場。 クールな禅寺。 潤わしの庭園。 ワンダフル。 ジャストワンダフル。 親知らずを抜く事でこんなに自由な気持ちになれるとは思わなかった。 勇気って出してみるものだわね。

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