期待もなく読んでみたら、澄み切った文体と、響き合っている物語性にガッツリやられて、今まで読んだどんな本とも違う、凄い読書体験になった。 優れた作品の持ち合わせている深い静寂を感じた。 こういうのは好きとか嫌いとかを超えて、まるで始めから人生の一部であったかのような存在感で、しっくりと心に住み着くね。 不思議な体験だ。
夜、NHKのドキュメンタリーを何気なく見たら涙が止まらなくなった。 にっぽん 家族の肖像っていう番組の第一章の再放送だったんだけど、自分でも泣きながらどうして自分が泣いているんだろうって驚くんだ。 悲劇に対して泣いているのか、同情から泣いているのか、それとも一貫して描かれている「それでも、それでも人間は愛を持って生きているのだ」という姿勢に共感してなのか。 ああ、ただ絶対にこの番組に出てきていた人達に幸せな、幸せな、幸せな余生を送ってもらいたいと思うよ。 本当に。 悲しい、ひどいと思うと同時に人間に対する尊敬を持つ。 ギャッツビーの最後の文章が、アンビリーバブルに素晴らしかったんだけど、ドキュメンタリーを見ながら頭の中でずっと最後のフレーズを噛み締めていた。
うわーん、なんか胸がいっぱいで眠れないよ。
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