2010-02-21

みーちゃん その 2

みーちゃんの日記と勝手に会話する、その2。

赤字がみーちゃんの日記from London,黒字が私。




生きて行くと人生ってどんどん複雑になりますよね?
さらに、外国に住んでると日本にいると見えない複雑さにびっくりする。
例えば、「好き」「嫌い」だけで分けられそうな友人関係でさえ、複雑になりうる。
前も仲良かったけど、今のフラットメイトも全員で仲がいい。
今回はなぜか全員女の子で、完璧女子校だってのもある笑
構成員は、端から
中国、ウガンダ、中国、日本(私)、ミャンマー、韓国、日本、クロアチア、カナダ。
白人少ない。欧米ど真ん中いねー!笑
見事に全員、周縁ってか、他者っちゅうか、
やったね!ポストモダン!!って感じの構成員です笑。

ってか、やったね!ロンドン!!って感じの構成員だね!

よかったね、そういう沢山の人達と一緒に住む経験が出来て。 きっと良い経験じゃない??

私も大学の30人のクラスメイトの国籍が、ニュージーランド人、イギリス人、ドイツ人、フランス人、日本人、中国人、タイ人、ブルガリア人、オランダ人、アイスランド人、アメリカ人だった。 適当なばらつき。

多分みーちゃんの寮に欧米ど真ん中がいないのは、欧米ど真ん中系は多分留学生でも自分のフラットを学外に見つけるからだろうと思う。 大学の寮とか下宿に入る人達は周縁系の人達が多いんじゃないかな。

好き嫌いだけじゃ判断できなくなるってのは分かるな。 なんかどこまで個人的な好みだけで判断していいのかが分からなくなる。 自分が相手の個人的な好みだけで判断された場合確実に損をするってのを分かってしまう以上、特に意識的になるよね。




例えば、日本のパスポートはすごく強くて、イギリスにいる間もふらふら気ままに色んな国に行ける。でも中国やミャンマーは違う。いちいちビザをとらなきゃいけないから、そうそうヨーロッパの別の国なんて行けない。
最近、フラットメイトとご飯を食べていると、ミャンマーガールの友達のロシアで修士やってる子とスカイプでぐだぐだ話す(すげぇ、世の中だ!笑)
モスクワ在住のミャンマ−ボーイはとってもいい子だけど、いろいろ状況は複雑。彼はミャンマー軍に従事している。
ミャンマーガールには両思いの男の子がいるけど、相手はお坊さんになるために、絶対に結婚できない(日本の坊さんは結婚してるよ?って言ったら、ちょっと睨まれました。。笑)
違う階に住んでるキューバ人のカルロスは、キューバ政府からお金をもらってキューバのお国のために、ロンドンで勉強している。それに、キューバもビザ関係がめちゃくちゃ厳しいから、たった一日でもイギリス以外の国に入って、消息を絶ってしまったら、14年間、母国に入れないし、その期間、彼の家族が彼を訪ねることも禁止される。こんなに地球は狭くなったと言うのに!!!

私も大学三年生の時に、文化人間工学の研究者の人の助手をしていて、研究対象がミャンマー(ビルマ)だったんだ。 その国の政治的現状を知ると本当にうんざりとした。 自分の仕事として貧困問題を扱ったのが初めてで、かの国の貧富の差に本当にショックを受けた。 イギリスの貧富の差に14歳の時に衝撃を受けて、結構ずるずる引きずってたんだけど、そんなの簡単にブチ壊れるぐらいの衝撃だった。

 たまに留学で来ているビルマの軍関係者の子供たちやビルマの華僑が普通にベンツとかBMWとかに乗っているにもうんざりした。 それに対して何も感じない中国系の子たちにも違和感を持った。 ただだからって友達にならない、私の持っている善悪の価値観だけで判断を下すっても卑怯じゃん。 本人は良い子だし。 難しいなと思ったし、今も思ってる。

 イギリスの学校にいた時に、社会科見学がフランスだったりしたんだけど、台湾人の子がビザをとるのにすごく苦労していてびっくりした。 子供だったから予備知識などが無く、ただ驚いた。 彼らはいたって普通な友達なのに。 逆説的に、日本のパスポートが強くても、日本人という立場が政治上強くても、別にそれが日本の善良さを証明している訳じゃないんだなと学んだ。 例えばアパルトヘイト時の南アフリカで日本人は名誉白人として優遇されたけど、それが良い事だとは全く思えない。 その名誉を受けてしまった事で失われた信用と尊厳の方が大きいと思う。 強けりゃ良いって話しじゃないよね。

 もしEUのパスポートホールダーになったら、EU内のどこでも住めるようになる。 私のパートナーはEUのパスポートホールダーだからもし関係が続けば私もそれを持つようになるだろう。 こういうのって、うんざりするぐらいに適当な制度なんだよなと思う。 この欠陥だらけの制度が人の人生を簡単に狂わす事ができる。 完全なシステムなんて無いんだよなあってこういう事を通じて思う。 そして"日本人である事"とかにすごい情熱を持っている人を見て、どうしてこうも適当な制度にそこまでの象徴とか神聖さを込められるんだろうと疑問に思う。




グローバル化を賛美するのは簡単だと思う。
だって、その恩恵に私達はすでに沢山受けてる。
でも、やっぱり私達は自分の国に縛り付けられてるんだなと感じる。
意外と、自分の国をほとんど意識せずに生きていられる(それはそれでとっても怖いことだけど)日本がもしかしたら、一番コスモポリタンなのかも笑

まあ、そうとも言えるよね。
自分の国を意識しないっていうのがコスモポリタンっていう意味だとは思わないけど。
国からの支援が乏しい状態になってもサバイブできるような個人がコスモポリタンじゃない?

グローバル化は賛美する対象でも貶す対象でもないと思う。 季節が変わる事を別に賛美しないように。 観察して対処し続けなくてはいけない事だと思う。 今私達は恩恵を日本国籍保有者として受けているかもしれないけど、明日もそうだとは限らないと思う。 あとその恩恵を使いこなしていない気もする。 自分も含めて。




昔、あんなが、
「植民地が良いなんて一度も思ったことがないけれど、1つだけほめられることがあるとすれば、元植民地の国の政治家の卵は、大体元宗主国の国に留学して勉強する。つまり、将来、国対国としてやり合う相手が学生時代の友達になんだ。」
って言ってた時に、すごく納得したのを覚えている。

そんな事を私は言っていたのか。 確かに、そこで最初の外交と交渉が始まっているとは思う。 (でも一体どんな状況で私はそんなでっかい事を言いはなったんだろうかね。 きっと若い頃だ。 若い頃の自分が怖い。)

外国で外国達について、外国達から学ぶってことについて考えてみた。 国じゃなくても、他文化圏とか。

たまに日本国内で書かれた「これからの日本の立ち位置」的なのを読むと、そもそもの時点でなんかがずれていると感じる事がある。 その書き手の持っている「国外」へのイメージ、ひいては世界のイメージが現実的でない気がしてしまうから。 でもそれがメインストリームのディベートで出てきていたりして、微妙な気分になる。 対象を理解していないのではないかと思ってしまうんだ。 例えば内田樹のいうような海外とか、海外と日本の関係とかって完全にフィクションな気がするんだよね。 そもそもそんなにはっきりとした「日本」という輪郭なんか無いだろうし。 どっかで何かがはっきりずれていて、外国人が話す日本の事が大抵変なように、日本国内で言われる外国感がメルヘンランド状態になってしまっている。

産業に関してなんかはは、本当は海外で実際働いている日本人の人が日本語で日本人に、彼らが実際にビジネスの場で使っている言葉で話しかければある程度の誤解は減るんだろうなあと思う。 でも実際の所、海外で働いている人は別に日本人にそういう情報を伝えようって思ったりはしないんだろう。 東京に出た人が、地元の人間に「東京ではこうだ。 だから君たちにはこういう可能性がある。 こういう事ができる。」って親切に伝え続けないように。 それと同じで、みんな自分の人生があるし、忙しいし、実際自分がコミットしている所に貢献するので精一杯になるから。

 それでもなんだかのコネクションの形を作り、他者から学習していく姿勢を保たなくてはいけないだろう。 少なくとも日本市場は若者が減ってしまい縮小していっている訳だから、もし成長を望むなら国外の市場に属する自分っていう新しい姿を見つけなくてはいけない。

 「もう外国から学ぶ事は無くなってしまった、日本は先進国に追いついた」って本気で思っていたら、そのうぬぼれが自爆への引導なんだろうなあと思う。




やさしくなろうとか、人のことを考えようとか、大義名分は素晴らしいけど、そんなに人って理性的になれないっていうか、特別な人は特別だし、嫌いな人は嫌いだと思う。例えば国際政治ってめちゃくちゃめんどくさい感じがするけど、私は分かる範囲で理解しようと思う。だって、日本の政治の判断で、私は大切な友人たちと一生会うことも、口をきくことも、もしかしたら姿を見ることすら叶わなくなる。それが外国在住の日本人であってもだ。


 私は大好きな幼なじみの韓国人の子が徴兵に行った時に同じ事思った。

 日本の子の話し方の特徴なのかなと思うんだけど、たまにすっごい上から目線の事をいう人がいる。 「徴兵はしょうがない」とか「戦争はこれこれこういう理由で有効だ」とか、自分自身を特権階級に置いて話す人。 すごい不思議だなと(だって彼自身は結構普通な人でもしそれが施行されたら、前線に配置されて速攻で爆死させられそうなタイプだったりするんだもん)思っていた。

 で、友達が就職を初めて、職場でかなり不条理な立場にいる子たちですら「経営者目線」で話す事に気がついた。 「サービス残業はしょうがない」とか、「休みが取れないのはしょうがない」とかさ。 「いやいや、その問題は経営陣が考える問題で、君はそこに同調しちゃいけないんだよ。 じゃないと経営陣もいつまでたっても経営下手でもやっていてけて、泥沼なままだよ。」っていうのが通じない。 どんなヒラでも経営陣目線、しかも経営が下手な経営者目線。 一番シンクロしちゃいけないタイプの経営陣とでもシンクロしていたりしている。 どんだけ強烈な検閲システムを体内に取り込んでしまっているのだろう。 そうやって強い者に体内から乗っ取られる人達が損をしているような気がしてならない。

 自分の立場を中心に置いた考え方をしてみても良いのではないかと思う。 そして、相手のみに立って考える場合は、別に強い側じゃなくて、弱い側に立って考えても良いじゃないかなあ。 なんかみーちゃんの日記を読みながらそういう事を考えた。

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