2008-07-01

ハツシバ ビオラ カバコフの展覧会




 この展覧会は、ハツシバがあったから私は良い時間を過ごせたけど、展覧会自体はかなり謎なへんちくりん展だった。 題名からして救いようが無いの。  Moving Towards a Balanced Earth: Kick the Carbon Habit!だよ。 どんな悪い冗談だよ。 びっくりマークはよそうよ。

 ニュージーランドの国立博物館と、the Natural World Museum、UNの環境プログラム、ニュージーランド政府環境庁が共催でやってる展覧会なんだけど、あか抜ける気ゼロ。 

 小学校の社会科見学で行った大型工場なんかでもらったパンフレットや、そもそも社会科の教科書そのものの胡散臭い善良さと同じ質で困った。 ニュートラルな、乳臭いけど乳首なさそうなイラストと、間抜けな文章を読みながら子供ながらに「きっと中立で何かに対してやさしい企業/団体/学校ってのを演出したいんだろうけど、おぞましさしか表現できていないぞ」と思っていた。 この手の怪しさってユニバーサルなのかもしれないと今回この展覧会そのものの作りを見て思った。 見る人を萎えさせる力を持った世界観だ。 

 あまりにも気遣いだけ成熟していて、中身が成熟していない感じが不思議でたまらずこの展覧会のキュレーターを調べた。 アートセラピーでマスターを取って、ダライラマファウンデーションから彼に関する本を書いていて、この展覧会の他にはEnvisioning Change: Melting Ice / A Hot Topicをキュレーションしている。 私とはインテンションも属しているソサエティーもかすりもしないのだろう。 きっと、良い人だ! こうも意向が違う人が作った展覧会が私の好みじゃないと言うのも埒があかん。 そもそもが異なる。 ネーミングセンスが涙が出そうなぐらいに悪い気がするけど、それだって異なる文化には異なる批評性があり、彼女側の世界では許される/もしくはナイスな題名なのかもしれないと私は思うよ。 頑張れ。

 何とも言えん!!

作品のキャプションも、なんだか作家みんなが環境問題だけにフォーカスして作品を作ったように演出されていて、「そうなの?」って萎えた。 新たなる文脈が生まれたとも言えるし、多くを殺したとも言える大胆な展覧会でした。 

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