2007-02-09

やわらかい生活







やっとこさDVDになった、「やわらかい生活」を見た。

良かった。 とても良かった。 

Wellingtonの映画祭で見た時、一緒に見に行った友達に「こうはなりたくない」と言い、「なるわけないだろ」と軽く言われた。 彼は雄だ。 そして、私は雌だ。 五年来の友人でもここまで俺らって違うのかと、感心しちゃったよ。

良い映画だと思う。 本当に。 愛すべき映画。 女の、女としての大変な部分を、映している映画って本当に少ない。 女として生きるのって、本当 に手探りだから大変だよぉ。 別にフェミニストになってブラジャー燃やせって訳でも、男にそこら辺意識しろって訳でもなく、みんな、みんなして暗夜行路で 大変なのよねー。 たまにはひっそりと言わせて頂きたい。 大変な事ばっかりです。


それにしても映画を見た後に、胸がいっぱいで動けなくなったり、逆にだからこそ何かを書こう/作ろうと思えたり。 年に何回そういう映画と出会え るだろうか? 様々な駄目な場所を羅列する事も出来るのに、もうそれをする必要がないと思える作品と、時間を一緒に過ごす事ができると、どうしてこうも心 と体の一体感を得る事が出来るのか。 パーソナルな作品とかって言い方があるけど、そんな次元の映画ってのは出会える数が少ない分、その分野の作品を語る のは経験が少なくて難しい。 

本当に良い映画です。 見てケロ。 

登場人物以外の物が語る。 水の形や、物の置かれる場所、光の加減、スピード、カット、音。 ポリフォニックな作品。 総合力が過激に高くて、私は見ているだけで涙が出ちゃうよ。 なんてったって、私にとってパーソナルな映画だからね。

 自分の為の映画だと思える映画に出会える事の幸せさ。 これから、そういうのが増える事を祈る。

良い作品を見た後は、私がいかに不安がっていて乾いていて孤独なのかとかをありありと感じる事ができるじゃない? やばいな、もっと丁寧に優しく生活しなきゃ。 


一ヶ月ぐらい前、私は私の部屋で友人に正座されて「鬱病ってのはブラックホールみたいなものなのだ」と椅子に座っている私の目をじっと見ながら言 われた。 自分が上から相手を見下ろす姿勢が苦手で、しかも、目があいすぎて、視線を動かしちゃいけない状況になっていて(目線を動かしてはいけなくなっ た時に、初めてビジュアルを超えた話しが成立するのかもしれないと思った。)その時に、本当にどうして良いのか分からなかった。

 「どうして良いのかこっ ちは全く良くわかんねえんだよ!! ごらああ!!」って感情を、丁寧に分解していくと、この映画の最後の水の動き方に繋がるのかなあ。


自分、ちょっと痛い奴なぐらいにじたばたするよなと思っている人、必見の映画です。 学ぶ事が沢山あります。 是非。 日常レベルではじたばたしないで、痛い事とか気にもとめないで、綺麗に清潔に生活する事だけが、解決方法なんじゃないかとすら思ったね。 それでも切羽詰まってどうしようもなった時は、もう、そりゃ、大変だ。

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