大学の先生が私の仕事を選んだときの基準の一つは、きちんとした生活が出来るか否かだった。
教授曰く働き始めた当初に、家庭があって仕事の外にきちんとしたコミュニティーとかが持てている人達や、きちんとした生活がおくれている人達と働かないと、その後の仕事観や生活観、家庭観がちょっとゆがんでしまうらしい。
だから若いときは、良い人達と働いて、生活ってなんなのかとか、自分が価値を置くべき事はなんなのかをゆっくりと学べと言っていた。 仕事はその後についてくるからってさ。 「規模はどうであれ、誰もがいつかは家族を作るし、子供の見本になるべき大人になる。 そのときに豊かな生活の知恵を持てている方が良い。」ってのが彼の主張。 特にデザイナーで、人に物を作る事が商売な場合はそうだよね。
実際働いてみて、本当に教授の言っている事の意味が分かった。
規律のある生活は、確かに私を成長させてくれたと思う。 成長…、というか、知らなかった事を知ったと言う方が正しい言い方だな。 時間的な意味で規律を持てると、生活のリズムを作れる。 昨日と同じような時間割の今日を過ごすと、昨日には出来なかった事が、今日は出来るようになっていたりする事に気がつける。
大きな事じゃないけど、例えば、美味しい料理がぱぱぱっと作れるようになったとか、それで空いた時間で家人にもっと優しくなれるようになったとか…、そういう事を繰り返していける。
で、すごく心や体に栄養が回った感じがする。
案外数年したら私は仕事命で、徹夜大好き、サービス残業大好物なワーカホリックになっているかもしれない。 でも大学を卒業した後にした、この生活重視の期間で学んだ事は忘れないだろうなと思う。
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