2008-08-28

反骨心

 オーストラリアにはフォークソングで、Waltzing Matildaという曲がある。 第二の国歌と言われ、公的な場所でよく歌われている。

またカイリーで悪いんだけど、彼女がシドニーパラリンピックでWaltzing Matildaを歌っていた。



この曲は結構個性が強い。 タイトルのWalting Matildaってのはオーストラリア英語で職を求めて放浪の旅をするという意味。 Matildaは女の子の名前なんだけど、強い女性とかって意味があるらしくて、放浪するときの毛布をMatildaって呼んでいたんだって。 曲の内容は一人のさまよえる男が羊を見つけて、一緒に旅をする。 が! 警察官が出てきて、その羊の出所を問いただす。 そして旅する男は「生きてお前には捕まらねえよ!」と言い、池に飛び込み死ぬ。 捕まるぐらいなら自殺。 反骨心、ここに極まるですね。 反骨心を国歌のアイデンティティーに据えるってすごいなと思う。 カルチャーショックを受ける。

 反骨心と言えば、シドニーオリンピックの開会式でネッドケリーというオーストラリアのアウトローがすっごいフィーチャーされていたのを思い出す。 彼は暴力的な植民地政府に反抗し、警察官三人を殺し、死刑になった男だ。 日本でだと、「?」ってなると思うんだけど、彼はオーストラリアでは殆ど神話ってぐらいに大英雄らしい。 彼は父親がアイルランドから島流しになりオーストラリアに来た人で、貧しい者を救う為に銀行強盗をし、警察と戦い、やれる限りの悪事を働き、社会の底辺の人達の代弁者として生きたらしい。 北京オリンピックで三千人の孔子が竹を振り回して踊り狂っていたように、シドニーオリンピックの開会式では数えきれない程ののネッドケリーが火花を上げて狂喜乱舞していた。 

ネッドケリーの人生についてもっと知りたい方はこのリンクを見てみて。 
日豪交流基金 オーストラリア史 
このリンク先の文章はかなり熱くて、締めくくりが "ネッド・ケリーは農村の貧者、負け犬の王者、無防備な人々の保護者として内陸部オーストラリアの神話となった。彼は最も広く敬慕されるブッシュマンの特性を兼ね備えていた。すなわちその特性とは、どんな犠牲を払っても貫いた仲間への忠誠、逆境に直面した時の勇気や勇敢さ、生き残るための機転や能力、警官への軽蔑、彼より社会的地位で優れた者の手が届かないほどの名誉ある生き方、死に方である。 " となっている。 本当に尊敬されてるんだなと思います。



この四角い鉄仮面をつけて火花を散らしているのがネッドケリー。 四角い鉄仮面は彼のアイコンなんだ。 子供も大人もネッドケリー。 熱い! 隠れネッドケリーファンの私としては心ときめく瞬間です。 

この反骨心。 私も少し分けてもらいたいと日々思います。 話しの題材として使っているのがオリンピックとか国歌的な歌とかだから、なんだかまとめにくいんだけど、でも、皆様、反骨心は大切です。 ボッキボキに生きて行きましょう。

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