映画、コレラの時代の愛を見た。 とても面白い映画だから、是非チャンスのある人は見てみて下さい。
原作を大昔に読んで、登場人物全員に感情移入が出来る素晴らしい小説だと思っていました。
そして映画版でもそうだった。 もう、みんなの気持ちが痛い程に分かる。
51年9ヶ月と4日、初恋の女性の夫が死ぬのを待っていた主人公の気持ちも痛い程分かる。 映画のキャッチフレーズが「51年9ヶ月と4日、君に飢えて眠り、君を求めて目覚める。」なのも泣ける。 本当に、その通りだ。 その通りの状況ってある。 君に飢えて眠り、君を求めて目覚める。 私もそうだ。 初めて、誰かのことを思いながら目を覚ました日の事は誰だって覚えているだろう。 そして、一回そうなっちゃったら、もう来てしまった嵐とは共に生きるしか無いっていう状況になるじゃん。
そんな主人公に告白されたヒロインが「(夫の葬式会場から)出て行って。 二度と顔を見せないで。 そして、とっとと死ねば良いと思うわ!」的な捨て台詞を言うんだけど、その気持ちも痛い程よく分かる。 相手にどれだけ好かれてようが、興味が無い奴には興味が持てないってのは変えようが無いことだ。 私もそうだ。 興味がない奴に好かれていれば好かれている程に気持ちが悪い。
そしてヒロインと彼女の夫の山あり谷ありだけど、質のある深い愛情関係を一生懸命築いて行った様子、そのときの心境も分かるとも! 他にも登場人物全員が「そうだよね! 人間ってそうだよね!」っていう人類の原体験を繰り返す物語。 物語への納得度が通常じゃない。
この、誰彼構わず全員の中に自分を見るっていう映画体験は珍しいよ。 すごいよ。
そういえば私の同居人はセックスシーンが苦手で、ロマンティックなシーンになるとソファーを立ち上がったり、やかんでお湯を湧かし始めたりもぞもぞしはじめる。 その慌て方、見事な物だ。 自分が人に見せなくない行動だから、人様のなんか余計に見たくないそうです。 全てのセックスシーンは映画の質を根本から破壊するらしい。
今回の映画はちょこちょことセックスの描写があったから彼は大忙しだった。 君が難しい気持ちになっているのは分かるけど、だからって急にマンガみたいに「どったんばったん」したなくていいじゃんと横でおとなしく映画を見ている私は思う。 こういう、映画を見つつも自分のドラマでいっぱいいっぱいになる、そして私を彼のドラマに引き込むわがままさはあっぱれだと思う。
そしてもう一本! スウィーニー トッドを見た。 ティムバートンの映画に出てくる女性たち、特に彼のパートナー、ヘレナ・ボナム=カーターが演じる役割にはいつも同調してしまう。 自分の妻にこんな役ってどうよって思うのばっかりだけど、結構こういうアスペクトは人の中にはあるよねってのを描き出していて感心する。 女が女になるのは難しいし、意外と障害がある。
2 comments:
おおーこれ、ちょうど私も見ようと思ってたんだ!
あんなの感想よんで、ますます楽しみだ〜
>全てのセックスシーンは映画の質を根本から破壊するらしい。
わかる。同居人さんとはちょっと意味が違うかもだけど、なんか、コメディとか気楽にみれるやつならいんんだけど、わりとシリアスな映画で、「ここが物語の起点になります!」みたいにそういうシーンが出てくると、がっくりきたりすることが多いかも。細かい機微とか震えるようなささやかな感動をして見てたのが、ちょっとぶちこわされるよーなっていうか。。うまく言えないのですが。
映画自体は、本当に胡散臭いんだ。 カツラとか、もっとましなの無かったのか気になる所だし。 ただ、ストーリー自体は素晴らしい。
セックスシーンは華があって私は結構好きなんだけど、こうも拒否する人が横にいると私は汚れているのかと不安になる。 セックスシーンは馬鹿な人用なのかなあ。
えーっと、今年の年末から日本に帰るからそうしたら遊んでね。
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