生活のモットーを聞かれる度に、"愛する事、歌う事、食べる事"と答えている。 イタリア人の基本姿勢らしいのだが、私もそうありたいものだと思い、日常的によく「私はいっぱい愛して、いっぱい歌って、いっぱい食べて日々を過ごすのだ!」と周りに宣言している。
そんな宣言をしていたら、幸運がまわってきたようで、最近とても音楽的な人と友達になった。 相手をよく知ってみたら、相手は人間の形をした音楽だった。 最近よく一緒に時間を過ごすから、音楽が生活の基礎に入り込んできたのを感じる。 生活のリズムがきちんとした音楽になっていくのを感じる。 時間が生き物の様に動き回る。
それはとても素晴らしい事。 すごいよ。
いつも人を好きになると、その人の中の最も強烈な面について考え込んでしまう。 一時期あまりにも美しい人を好きになってしまい「美しいってなんなんだ?」とあっけにとられて、美学事典やら多摩美時代の美学のノートを読み込みまくった。 えらい勉強になった。 それ以外にも「恋いこがれる」という状況にあっけにとられ、バルトの恋愛のディスクールを読み込みながら考え込んだ事もある。 メランコリックで官能的な人生の味を知った。
今は音楽と生活をしているので、「音楽ってなんなんだ?」ってなっている。 音楽について勉強がしたくて仕方がない。 なんでこんなにワンダフルなのか。 それはまるで、海に飛び込んだ時のような気分だ。 真夏に海の飛び込んだ後に感じる「陸にいる時と海の中にいるのってこうも違うのか」って感慨と同じぐらいに、以前と今とでは音楽の楽しさのレベルが変わってしまった。 不思議で仕方がない。 こんなに不思議で楽しい芸術があったのかと驚いている。
その音楽そのものな友人は、たとえ話すらが音楽だ。 多分、話=音=音楽なんだろう。 「それでさ、こういう気分になって」って言う「こういう」っていう部分が結構立派に出来上がった楽曲になっている事が多い。 その即興に私は驚く。 また体を始終ドラムのように叩かれる。 リズムをひたすら刻まれるのは気持ちがいい。 だからといって落ち着きがない訳ではなくて、静で平和な音楽もたっぷりある。 音楽ってこうも味わい深いのかと日々感嘆。
音楽に関する書物で、写真で言う所のバルトの「明るい部屋」みたいな本ってないのかな。 あれば是非読みたい。
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