タラって名前の友達がいる。 高校一年生の時の数学の教室で席が隣になって以来の友達。 (たしか、それは私が初めて高校に編入した日だったはず。 日本の大学の友達も入学式で席が隣だった子たちだ。 私、友達運が良いか、それとも極端にレイジーかのどっちかだわ!)
かれこれ8年来の友達。 今日は彼女に私の卒論の校正をしてもらった。
彼女の家に行ったら、彼女はベランダのハンモックで白い麦わら帽子を被って眠っていた。 ハンモックを揺らしたら起きて、軽くハグをしてくれた。 「夕飯作ってあげるから、ちょっと待ってて」と言われて、ハンモックを譲ってもらう。 午後の日差しが温かくて、最近ちゃんと寝ていないからうとうとした。 「起こしてあげるから寝てなよ」と言われて「じゃあ二十分ぐらい眠らさせて」と言い、速攻で深い眠りに落ちた。 一回目が覚めた時に視界が真っ白で驚いた。 私が日焼けをしないように、彼女が麦わら帽子を私の顔に載せていったのだ。
そしてまた寝る。 夕飯が出来たと起こしてくれて、二人でチキンと黄色いピーマンがいっぱい入ったトマトソースのパスタを頂く。
ぽろぽろと最近あった話しとかをしていたら、涙が止まらなくなって、わんわんと泣いてしまった。 「美味しいし、タラちゃんと別の国で暮すの切なすぎるよぉ。 タラちゃーん! うわーーん!」と子供のように泣いた。 私が感情的になるのに慣れている彼女は「ご飯食べながら泣かない!! お皿下げるよ!!」と言いながらご飯を食べていた。 「うん、泣かない」と言いながら泣きながら彼女が作った夕飯を食べた。 「人が作ってくれたご飯を食べるのが久しぶりで…。 ほとんどミルクシェイクとスコーンで最近生きていて…、それかビール。 だからパスタが魂にしみた。」と泣いた言い訳をした。
食後に彼女が私の文章を直しながら、二人でデザートのチーズケーキと甘いミルクティーを頂いた。 また泣けた。 「このチーズケーキはスーパーマーケットで買ってきた冷凍ものだよ。 もし、工業製品的食品がファンタスティックで泣いているんだとしたら人間として惨めだから、泣くのをおよしなさい。」と突っ込まれ、また泣けた。 「卒業制作、辛い」と言い訳をして同情してもらう。 本当は彼女と違う国に住むのが寂しい。
こんなに愛されていると実感させてくれる友達っていない。 「タラちゃん程、一緒にいて愛されているなあ、ケアされているなあと思わさせてくれる友達っていないよ。 タラちゃん、本当に特別。 タラちゃんといると私特別な気分になる。」と泣きながら言ったら笑われた。 「マフューやらトムやら、ディランやらがどれほどアンナの面倒を見てるか知ってるよ。 あんたはただ極端に女の優しさに弱いだけ。」と言われて、確かにと一瞬思いつつも、涙。 日常的な私の面倒を見ているのは彼らの方だけど、私は泣かないどころか注文すらつける。 彼らの前だと「おい、私の靴下脱がせろ」的な駄目女になっちゃうんだよ。
親しい男友達は私が彼の家に行くと、使っていない白いランプシェイドを私の頭にかぶせる。 「これがアンナの安全地帯。 このランプシェイドを被って、僕とソファーに座っている時のアンナは温かい事しか考えない。 仕事の事は考えない。」と私が眠るまで呪文を唱える。 確かに、多分、優しい。 逆の立場だったら私にはそんな忍耐力は無い。 っが、ランプシェイドはごつごつしていて正直、頭に長期的にかぶせるのはどうかと思う。 その点、白い麦わら帽子は柔らかい。 男友達はドラマティックだけど、女友達は細やかだ。 そんな事をぽろぽろとタラに話していたら「靴下脱がさせたの?! あんた妊婦?!」と大笑いされた。 私も泣き笑い。
あー、タラちゃん大好き。 今日は久しぶりに私もこういう人になりたいなと思った。 これぐらい周りの人が「私愛されてる! ケアされてる! 私って特別!」って思えるような優しい人になりたいよ。 私、優しい人になりたいです。 靴下はこれからは自分で脱ぎます。
No comments:
Post a Comment