2008-11-13

昨日から今日

 昨日からいろいろな事がおこった。 結構多くのクラスメイトがウェリントンを去っていくので、昨日が最後のみんなで一緒に遊べる日だった。

 昼間からバーベキューをして、みんなで肉を食べたりビールを呑んで、いっぱい日光浴して、本当に楽しかった!! 

 そして思わず言葉に詰まって、もう会えなくなる子たちの前にたつと涙が出て、切なかった。 

 めそめそしてても仕方がないと、海の横の大きな公園でみんなでサッカーをした。 二時間走りっぱなし。 裸足でクラスの子たちとひたすらサッカーをして、ゴールが入る度にお互いをおんぶしたり、蹴っ飛ばしたりして、本当に楽しかった。 大学の先生に「気がついていないのかもしれないけど、君たちは本当に美しい時間を今過ごしているんだよ」と言われた事を思い出して、また走りながら涙が出た。 私たちは確かにかけがえのない時間を一緒に過ごした。

 家に帰りシャワーを浴びて、お分かれするのは寂しいから近所のクラスメイトと集まって夕飯を食べた。 夕飯を食べてもまだ満足ができないから深夜営業をしているマクドナルドでコーヒーを飲んで、次の日に会う約束をして、さよならをした。



 その後、なんか体の中に力がみなぎっているのを感じたから、ゲイのカップルの家に行き、「あと八時間ぐらいしたら役所が開くから、みんなで行って、君たちは結婚をします。」と宣言した。 そして彼らの家を去り、朝また行き、彼らを叩き起こし、役所に行った。 

 ニュージーランドにはシビルユニオン法という、同性同士でも、異性間の結婚と同等の権利が認められるユナイトの仕方がある。 二人の保証人が必要で、私は勝手に私と私の親友以外、彼らの結婚の保証人にはなれないと決めていた。 元々私と親友が朝食を食べる約束をしていたので、そこに彼らが合流し、そのまま役所に行けば合理的であるとひらめいたのだ。

 役所に行ってみたら、結構二人ともビビっていて(そりゃそうだ)、ちょっと強引すぎたかなとか、不安にもなったけど、まあ、ねえ、本人たちも「アンナが今日結婚しろって言ったんだからしょうがない」って言ってたし、そういうもんなんじゃないでしょうか。 

 うーん…、事のスケールが大きすぎるからよくわからん! ただ彼らだって拒否権は私に対してあった訳だし、多分、これで良いんだと思う。 

 受理されるまで三日間かかるので、月曜日に正式な儀式を役所でする事になった。 とりあえず、それまでは静かに、時間の流れに身を任せるにこした事がないだろう。

 役所の帰りに会ったほかの友達にこの話をしたら、相変わらず強引だと驚かれた。 私もたまに私は強引だと思ったりするけど、さすがに誰かを結婚させたのは今回が初めてで、そしてもう二度としないと思う。 とても、とても、とても、とても、とても大切な友達の人生の事だからやったし、だからこそ、この「友達同士を結婚させる」っていうカードは、彼ら以外には使いたくないんだ。 私の中のこの役目は、彼らのためだけにあったんだと思う。 

 ちなみにシビルユニオンの書類を提出した人の片割れと、保証人である私と私の親友はみんな同じ高校に行った。 その高校はニュージーランドで初の性転換をした国会議員の母校であり、非常に性の平等について神経質な高校だった。 良い高校に行ったと思う。 

 高校時代の事を思い出すと、これと言って特別な事はなかったと思ったりもするんだけど、こうやって高校時代の友達の結婚の保証人になれたりしているから、何かすばらしい事を私たちは共有したのかもしれないと思う。 

 私たちは美しい時間を過ごしているのかもしれない。

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