2007-01-28

Breaking ground






ずっと読みたかった本、ブレイキング・グラウンドを今読んでいます。


建築家、ダニエル リベスキンドが、いかにワールドトレードセンター跡地再開発の為のコンペに勝ち進んでいったかを、彼の思想、経験、歴史と共に書いている本です。


ユダヤ博物館についてのドキュメンタリーを見た時に、私は雷にうたれたような経験をし、それ以降、色々な意味で気になる建築家です。 まさに狂気と神秘が紙一重な感じがやばくて気になる。


通常否定されるような生々しい発言がてんこもりで盛りだくさんなので、生々しいのが苦手な私は一ページ読むごとに、力が吸い取られていきます。 感心しつつも、やられる。 確実に。 通常の甘っちょろい倫理観を持っている人(まさに私)は、マジでなにがなんだか分からなくなってくる。


本当に、なんかそれってどうなのよって気分になるのよ。 勿論、トレードセンターの再開発について、誰だってクリティカルな気分になるというのは当然で、誰もどんな答えに対しても心底すっきりする事はないんだと思う。 そして出来てしまえば、なんか変に納得してしまうのだろうとも思う。 その納得が良い方向で行われるか、それともシニカルなものになるかの仮説をたてる事しか今はできない。


それにしてもあまりにも倫理が問われる問題故に、いつもはそんなことばっかり考えている私ですら、「いっそ、ドライに行こう。」ってなってしまう。 しかもとんでもなく政治的。 新たな悲劇の一ページって感じがしてしまう。


同世代の人間として読んでおいた方が良い本とも言えるけど、とりあえず、よっぽどこの本の作者と気持ちが重なり合わない限り爽やかな面は限りなく少ないです。 私にはこの建築家が、猛烈に変な人に思える!!!! 文章が一行終わるごとに、違う意味でほっとしてしまう本です。 難しい仕事を彼も請け負ってしまったのだと思う。 


そんなこんなで読んでいてずっと頭が痛くて、夜呑みにいった時も一瞬たりとも集中が出来ず、意識がずっと朦朧としてしまいました。 


この本を読んで一体何を思えば良いのかすら分からない。 

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