2006-11-14

タワー

 友達の家でDVDマラソンをした。 まず、spellbound(邦題:チャレンジキッズ)とかっていう、アメリカのスペリング大会出場者たちを追いかけた不思議なドキュメンタリーを見ました。 笑っていいのやら、感心したらいいのやらで、なんか消化不良になった。 ただ、スペルの覚え方みたいなののコツは掴めたかもしれない。
 


 二本目は、ずっと見たかった「イカとクジラ」。 すっごい良かった!! 期待以上。
本当に想像以上に良かった。 時間の流れとかは普通で、話しの内容も古典的なんだけど、だからこそ素晴らしさが際立った! 

映画を制作する人達と私の生活が違いすぎているからかもしれないけど、ほとんどどんな映画を見ていても、「こんな変な会話の仕方をする人達がこの世にいるのかい?」と悩まさせられる。 内容の問題というよりも、会話から浮き出る道徳観とか、会話を持っていこうとする方向とか、隠そうとするある種の感情や、逆に尊重され続ける面とか、そういった全体のトーンが根本的に私が知っているそれと違う映画が多いんだ。 だけど、この映画はそこにずれが無かった。 常々芸術とかの素晴らしさの一つは、現代をどうしても反映し続けてしまうってことだと思う。 会話がユーモラスで良かったってのよりも、そのユーモアをドライブする倫理から、よくも悪くもそこらんへにある本当にリアルな現実がかいま見れて良かったんです。
 
この映画はその手の感覚が洪水のように溢れていた。 現実的だった。 あと俳優の白いおたくっぷりもよかった。 映像は好感が持てる緩さがあった。 ただ、後半ちょっとライ麦畑で捕まえてっぽすぎて、前半の力量と新しさが続かなかった感じがして残念だった。 でもちょっとそんな感じも好きだった。 いい映画! 

 
 次は、デリカテッセ。 フランスの監督のやつ。 あんまり面白くなかった。 ただ、全ての瞬間は愛するに値するのだという情熱は伝わった。 いい態度だと思う。 だから、友達と来年度から大抵中だるみしてストレスフルな木曜日をフレンチデーとして、何が何でも愛するに値するって態度で過ごそうと約束した。

 
 そしてそろそろ深夜も超えてなんだかしんどいぞって時に、アイスランドの「氷の国のノイ」を見た。 なんかこんな浅い内容でいいのかとあっけにとられてしまった。 でも見ていた友人たちはみんな心揺さぶられまくっていた。 ものすごくよく物事を抽象化したミニマルな映画ととるのか、ただのメロドラマティックでキッチュな映画なのかが、私にはわからない! とても素直な話しで、そこに美しさがあるけど、でもつまらなかった。 アイスクリームとイチゴをたべつつ、ジェンガの偽造品で遊びつつ、映画を見ていて、どんどん退化していく自分が怖かった。

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