2011-10-15
Midnight in Paris
ウッディーアレンの新作、Midnight in Parisを見てきた。 主人公の抱えている悶々と、自分の悶々が見事にシンクロしていたのでとてもとても楽しめた.
主人公は作家志望のアメリカ人。 自分の送っている日常にしっくりきていない上に、元々うじうじした側面のある男だ。 趣味はノスタルジアに浸る事。 そんな彼は強気な婚約者と彼女の両親と一緒にパリに旅行に来る。
そしてパリにて彼の現実逃避願望が炸裂。 「俺ここで暮らしたーーーい! 特に1920年代の、パリでその頃のヒップスター達に囲まれて暮らしたい!」と大興奮。 現実逃避願望が強い私にとっては「分かるっ!分かるっ!」って感じだ。
そんな彼が願ったり叶ったりで1920年代のパリにタイムスリップ! ばったりゼルダやフィッツジェラルド、ヘミングウェイ、ピカソ、マティス、ダリ、T.S.エリオット、ガートルード・スタインにバンバン出会う。 あがるあがる、彼の感情。 しかもそこで恋までしちゃう。 そこでどうなる…っていうのがこの映画。
小粒なんだけどしっかりとまとまっていて、きちんと出来ている良い映画。 繰り返し、時間があるときに取り出して見たいタイプの作品。 こういう映画が人生に何本かあるとありがたい。
見終わった後に友達とクレーパリーに入り昼食を食べた。 「どう?タイムスリップしたい時代とかってある?」とお互いに聞き合う。 彼も私も「さっきから考えているけど、実際の所はないね。 まずコンタクトレンズない時代には行きたくないし。 どっちかっていうと未来に行きたいとかかなぁ…」という所で話しがまとまる。
私には現実逃避願望があり、彼には野心がある。 常に「ここではないどこか」を求めている。 似ているようで違うところは、彼には夢があって私にはないところだ。
そして映画の主人公は過去を理想視していた分どこに逃避しているのかが分かりやすかったけど、私は理想視出来ている場所がないので、逃避がしたい場所すら分からない。
目的地が持てないこの状況。 冒険と取るか、迷子と取るか。
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