2008-02-10

Sarah Sze

 私にとって2003年から4年ぐらいの時期をくっきりはっきりと描き出していた作家の一人がSarah Szeだ。 

 多分、切り込み隊長みたいな感じで彼女が注目されていたのは、90年代後半から00年代の前半で、オロツコとかと共に見事な彫刻の復活させた御人なのだけど、私がSzeを知った2003年にでも彼女の作品はものすっごく新鮮だった。 従来のコンセプチュアルアートやインスタレーションから、彼女や彼女と同世代の人達が行った脱却はそいつは見事なもんよ。 私は彼女の世代の作家が好きすぎて、嗚呼。 

 なので、今銀座エルメスでやっている展覧会に行ってきました。 楽しかった!

 みなさん! 絶対に見に行かなくてはいけませんよ!

 本当に作品が良いし、これは明らかに面白いし、とても美しい。 作品や、持ち合わせている雰囲気、生まれた状況、過去とのつながり、未来への影響、それのどれをとっても独特の自由さと軽さや流動性があって、それがこの作品の個性だなと思う。 なのに、ただの虚しさとか弱さがないところが素晴らしい。 その強さから影響を受けたいよ。 弱っちゃいけないのだと、心の奥底をかなりがっしりと支えてくれた作家の一人だ。 芸術は人を支える! 特にSze世代は相当閉塞感への基礎抵抗力が高くて素晴らしいです。 

 それにしても友達で美術批評をやっていたり、キュレーターになろうとしている人が結構いるんだけど、人ごとながら大変だよなと思う。 こんなにadorableな物に言葉で挑戦しなきゃなんだものなあ。 私はまず酔いたいし、そのときは「なんて素晴らしいのだ!」と両手を広げて言っちゃいたいタイプなので、がっしり芸術を語るのだと腰を据えている人には敬意を持つ。 

 大学の友達が日本に来ているので二人でチャラチャラと見てきたんだけど、特にファインアートに関係ない彼と行ったってのも素晴らしかった。 「すっげー!!」って、騒げる感が良かった。 芸術の鑑賞方法って人によっても文化によっても違う。 その違いを知るだけでも結構楽しい。 いちいち新鮮。

 そう、だから勿論自分に対しても、周りの人にも、今の自分が持っている芸術を見る時の作法が全てだと思わずに、それこそアグレッシブなぐらいに快を求めてどんどん色々と色っぽくやっちゃっていいよと思う。 鬼のように怖いボスや批評家やキュレーターに囲まれている瞬間以外は、自分の為に楽しむに超した事が無い。 

 とりあえず、絶対にいかなきゃ、見なきゃ、Sarah Sze@銀座エルメス!

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