親しい友人が最近情緒不安定で可哀想だった。
結果彼の精神年齢は日に日に、思春期の面倒くさいウェットな男子に後退していった。
もー、傷つきやすいのなんの。
最近気がついたんだけど
少なくない数の成人男性たちの胸の中には
未だにすっごく繊細でか弱い中学二年生位の男の子が住んでいるっぽい。
ふにゃふにゃしていて、
傷つきやすくて、
すっごくねっちりしていて、
汗っかきで、
恨めしがっている弱い坊ちゃんが住んでいる。
そして緊張とか圧迫とか切迫とかがピークになると、
バーンと全面にその性格が出てくるようだ。
彼は最高に気色が悪くてめんどくさい少年になっていた。
友達ですら一緒にいるのがめんどくさい奴になっていたので、
本人も本当に自分自身を持て余していた。
で、最後の理性を振り絞りカウンセリングを受けに行っていた。
英断。
カウンセラーにいろいろアドヴァイスしてもらってきたんだけど、
その中に「祖国、タイの料理を食べてごらん」ってのがあったらしい。
彼はあんまり祖国の風習とか生活様式とか持ち込まない子だから、
これまで一緒にタイ料理を食べたりとかはしなかったんだけど、
それ以来意識的に一緒に食事をするときはタイ料理を選んでいる。
昨日は私の家で彼の一番好きなタイ料理、タイスキをした。
日本人の私がクックパッドのレシピを使いNZで作ったものなので、
偽物感ぷんぷんの一品。
まぁ気晴らしにでもなれば良いと思って献上した。
しかしながらね、食べさせてみたら、
本当に「魔法?」って位に、彼がお元気になった。
ものっすごい美味しい美味しいと連呼しながら、
延々と食べていた。
こんなに元気な彼を見たのは久しぶり。
うわー、本当に祖国の料理って効くんだなぁと激しく感動してしまった。
すごいスピードで食べていく彼の様子を見ていたら
思わず抱きしめたくなった。
なんでだかそのかっくらう、生命力に感動してしまったのだ。
最後には元気な時にいつも言う、青臭い憎まれ口をジャンジャン言っていた。
うわー! 元気になってるー!と、心の中で私感涙。
彼が帰った後、夫と「すごかったね」と言い合った。
二人して彼の食事姿に感動してしまったのだ。
確かにタイスキは美味しかったんだけど、
でも私にとっては、そこまでの次元の美味しさじゃなかった。
その味で育ったものにしか分からない旨味がある。
で、多分、その旨味が人を癒す。
母国語のニュアンスとか、
母国語が心に響く速度とかと似ている。
ほとんど魔法。
とりあえず、魔法の力を使う為に、タイ料理をもっと覚える事にした。
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