2011-03-11

地震の後に思う事

2月22日の地震から気がつけば二週間以上が経った。 早いような、長いような…。

地震当初は、救命とサバイバルが最も重要な事だった。 被災した方がサバイブできるように、そして行方不明者の方々を救命する事が何よりも重要視されていた。 本当に非常事態だった。 短期戦。

現在は、復興に向けてのミッションにステージが移行している。 これは本当に長期戦。 この地震の処理をするのには、被災者の方からしたら、もしかしたら一生かかるかもしれない。 そして街単位でも数十年、国単位でも長い時間がかかるだろう。

私が今回の事で強く思ったのは、私達がいかに、この長期戦に入ってからのクライストチャーチの政策にアテンションを払わなくてはいけないかと言う事だ。

阪神大震災の時、私は日本にいたけれども子供だったから、被災者の方々にどのような社会保障が行われたのか、地域の事業にどのような援助が出たのか、被災してから何日後にどうやって行われたのか全く知らない。

今回の地震では私は大人になっていたから、被災後にどのような助けと、どのような人生があるのだろうかと考えさせざるを得なかった。 もしその時自分が雇用されていなかったら? パートタームで働いていたら? 職場が壊れていたら? 怪我をしたら? 家のローンがあったら? 子供がいたら? 病気だったら? 自分の貯金でいったいどれだけの期間、国からの保証無し、仕事無しの状況でサバイブできるだろうか、などなど。 考えたらぞっとした。

それは回りにいた人達にとっても同じだった様子。 周りの人達とは、震災直後の非常事態を乗り切る事と、同じ位のウェイトで、その後の自分の人生の立て直しと復興についての話をするようになった。

今回、クライストチャーチでは被災後一週間の時点で、今後六週間に個人個人に支払われる緊急エコノミーパックの発表があった。 勤務状態にあわせて、週$500から$300支払われる事になった。 (これは本当に生活にぎりぎりな金額で、何かを買い直すとかってのに使える額ではない)

日本のニュースは短期戦の部分をとてもよく報道してくれた。 でも、この国の被災者がどのような社会保障を、どの段階からどう受け始めているのかとか、生活を立て直す為には何が必要なのかなどはあまり報道されていないような気がした。

自分が同じ立場に立った時に、比較対象を知っているというのはとても心強い事です。 どうか遠くの国の事だと思わずに、比較、批評材料として、災害後復興へのプロセスを観察してもらいたいと思います。

今回のことで強く思ったのは、自分の住んでいる地域共同体の人達の意識そのものが自分自身の運命を決めるという事でした。

知識や比較対象を持っている人達が多い共同体に属している事が、自分の命を守る事に繋がります。 どうか、自分のためにも、自分の周囲の人のためにも、震災後の様々なステージに関する情報を持つようにして下さい。

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