ワールドカップのオープニングセレモニーはマオリ色一色だった。 マオリ文化押しになるんだろうとは思っていたけど、ここまで完全にマオリ色になるとは思っていなかったので、結構驚いた。 パケハ(白人)文化の表現の部分はほとんどなかった。 マオリの代表達がワカ(マオリのカヌー)でオークランド入りして、街中を練り歩きハカを踊り、歌を歌い、祝福(もしくは威嚇?)しまくりながらメインスタジアム入りした。 そしてそこからもひたすら歌って踊って、ハカしていた。
半裸の大きな男達がしこを踏みまくる事をこよなく愛する2大国家、日本とニュージーランド、両方に属する私としては、こういうのはかなりあがる。 相手がでかければでかいほど、相手が半裸なら半裸なほど、相手がしこふめばしこふむほど、「あっぱれ!」な気分になってくるのだ。 まじで、ここに朝青龍とか、白鴎もマオリのハカに参加して、この大地を踏みしめてくれたらどれだけ誉れだったろうって思うよ!!!! そしたら、まじで桜とかバンバン咲いちゃいそう。 ひと踏みごとに大地がわくよ。
マオリの女の人達の歌唱力は半端ない。 いつも、聞くたびにちょっと涙目になってしまう。 リズムもきれいだし。 男の人達も大抵音楽的だけど、女性の呼びかけの歌は本当に、もう見事。 マラエ(マオリの集会場)とか行くと、そこの女性に歌われる。 それで、こっちも歌って入れてもらう。
しかしマオリの独自さをみればみるほどに、複雑な気持ちになる。 こうやって呼びかければ土地が響き返し、人々は土地に所有され、大地のうねりや恵みと共に生きる事を喜びとしていた民族が突然、遠くから来た違う民族にわけの分からん契約をさせられ、土地ごと支配され、土地が分割され、全く違う文化体系に投げ込まれたって、想像するだに半端ない苦境だよなと思う。 実際横で見てると、「これが日本でおこらなくて良かった…」と思わずにはいられない事が多々ある。 一度強奪され、引きはがされた大地との関係から、常に血が流れている。 大地と密接に関係していた分、引きはがされたときに出来る傷が生々しい。
結構頻繁に「私とマオリの関係」を思う。 パケハ(白人)のした事がおかしいと思えば、ニュージーランドの国の元になっている、マオリとパケハの契約が不平等で許されるべきでない物だと思えば、じゃあ、私のこの国での立場ってなんなんだろうと思うんだ。 私って、私の理論を通せば、ここにいるべきじゃないんじゃないかと思えちゃうのよね。 私がここにいていい正義があるかがわからない。 結構頻繁に思う。 私はマオリ文化を規範にこの国で生活するべきなのか、それともパケハにそうべきなのか、とか。 難しい。 植民地独特の悶々。
話しは変わって、ハカ。 日本ではそんなになじみはないとおもうけど、ハカはニュージーランドの心です。 見る分には大好きです、ハカ。 自分がもし踊られてしまったら、その意味は「戦闘開始」なので、全くよろしくないですけど、自分もハカを踊っている人達の方のチームに属していると思っているとなかなかグッとくるものがあります。 オープニングの日は本当に街中で男達がハカを踊っていました。 フラッシュモブもハカ。
ゲームの始まる前もハカ。 赤いジャージがトンガ。 トンガもハカ的な踊りをする。 ポリネシア文化なのね。 で、黒がオールブラックス(ニュージーランドのナショナルチーム)。 オールブラックスのハカは良い。 北半球では見ないよね、こういう顔面表情。 とりあえず、眼球を見開き、ベロを出すのが基本です。
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