2013-07-16

7.15

京都の鴨川のほとりで、「韓国近代美術の百年」を読んだ。

1. 鴨川のほとりは、素晴らしく気持ちがよかった。 
本を読みながら、こんなに気持ちがいい時間がこの世にあったのかと驚いてしまった位に。
京都住みたい!

2. そしてこの本は最近読んだ本の中で一番面白かった。
すごーーーーーくおすすめ。

3. 文章のスタイルが英語の論文のフォーマットと似ているので、とても読みやすい。 人に苦労なく読ませるための書き方をしている。 とてもよくデザインされたソフトウェアを使っているような気持ちになる。

4. 「国境を超えたアイデンティティの確立 ナムジュン・パイクと李禹煥」というチャプターは、読んでいて胸に迫った。 「移民である」という私自身のストーリーと重なり、とても励まされた。 見渡してみると私の友達は移民が多い。 日本人で移民になった人。 移民として日本に来た人。 国中殆ど移民達のニュージーランド。 「日本人である」という感覚すらもが、自分の中にある移民としての自分に内包される。

本の中に書かれていた、
"国を離れたアーティストたちが、母国と、自分で新たに選んだ国との関係を維持することは難しい。移住とは単なる物理的移動ではなく、肉体的にも心理的にも生活のすべてを変える移動であり自らの文化的アイデンティティに混乱を引き起こす。白南準と李禹煥の作品には、母国の文化的アイデンティティとも移住先のそれとも確定できない性質のものがいくつも見受けられ、それらは国境というものを超えている。この論文が探求しようとしているのは、こうした超国民性である。断片化された母国の記憶が作品にいかに現れているか、それは新しい経験を次から次へといかに統合していくのか、そしてかれらを国境を超える美的アイデンティティを、いかに構築していくのだろうか。"
という文章から、自分も含めた様々な友人たちを思い出した。


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