2010-11-25

部屋

巣作りをするのは楽しい。

最近久しぶりに巣作りに対する情熱が戻ってきた。
これはオークランドに引っ越してきてから全く情熱がなかったので、二年ぶりぐらいか。

とても居心地が良い家なので、もっともっと居心地を良くしたいという情熱にかられている。

私は空中庭園みたいな場所が好きだ。 
だから、一階に住むより二階に住みたい。
窓から植物の上の方が見えるのが好きだから。
あと風の吹き込みかたも大切。

そして布が沢山ある部屋が好きだ。
家具の素材は木材と布が良い。
木材ちょっとと、布沢山。
ふわふわしているとなお良い。
どうしてこうも柔らかいものに包まれたいのか。

照明も暖色の間接照明が好きだ。

ベッドにぽーんと飛び込んだ時に、枕元に沢山の枕やクッションがあって、
ちょっと固めのさっぱりとした素材のシーツが肌に触る感じも大切。

小さいときからベッドに入る度に笑い声を上げて喜んだ。
今でもぱりっとベッドメイキングされたベッドに飛び込む瞬間に、嬉しくてたまに声を上げて笑ってしまう。 沸き上がってくる喜びが止められないのだ。 トランポリンで飛ぶ瞬間のお腹がくすぐったくなる感じが、ベッドにぽーんと自分を投げ出す時にもするんだよね。

柔らかくて、そよそよしていて、そしていつも若干温かい環境が好きなのだ。

どうしてこういうのが好きなんだろうと考えるとちょっと分かんなくなる。
小さいときに住んでいた部屋に似ているから?
それともたまたま?

私は小さいときから屋根裏部屋に住んでいた。
最初は大きなテラスのついている小さな屋根裏部屋。
梯子で登る部屋だった。

ダブルベッドを置くと床のほとんどが覆い隠されてしまう部屋だった。
天井の一番高い所がぎりぎり160cmの私が立って頭が当たらないぐらい。
部屋のはじっこに行けば行くほどに(そして部屋のはじっこはすぐそこにある)ギューンと天上が低くなる。

屋根裏部屋の一面は屋根の上にあるテラスに繋がる窓になっていて、テラスは部屋よりも広かった。 そこも私の空間だった。 その二部屋(?)が私の幼少期の部屋。

実家が今の家に引っ越してきてからは、もっと広い、そして頭が天上には当たらない屋根裏部屋があてがわれた。 天窓と、中庭が見える小さな窓がある以外は外部から遮断された、鬱蒼とした感じの部屋。 森の中の家なので、まあ、それはそれで丁度いい。 トトロの穴蔵みたいで好きだ。

両方とも、どこか包まれる感覚のある部屋だった。
子宮のような、繭のような。

部屋には心地よさや、安心感、温かさ、柔らかさを求めてしまう。
どうしてなんだろうね? よっぽど母が恋しいのだろうか。

そういえば、昔、部屋に男の子が来る度に、自分の部屋の女性らしさに驚いたものだ。

私は別に自分の部屋が女性的だとかロマンティックだとか考えずに暮しているんだけど、実際男の子が部屋に入ってくると、自分と身長も違うし、動きも違うし、大概「お花畑に熊が来た…!」って感じになっていた。 そしてとても驚くのだ。 相手の巨大さと、相手の荒々しさに。 街やら学校で会っている時はそんな事感じないから、多分、私の部屋とのコントラストでそう見えているのだ。 ってことはよっぽどフェミニンな部屋を私が持っていたってことだろう。

(ましてや好きな男の子が来た時なんて、もうウルトラドギマギだよねっ! 自分の柔らかい繭みたいな部屋に、自分が世界で一番野生とか生命力とかを感じている相手がいるんだもん。「っか、形が変わるっっ!」って思ってクラクラ。 ああ、今思いだすだけでも、ドギマギしてきた…! あの、好きな人の体とか動きを通して、自分の部屋がものすごく女性的なんだって気がついた瞬間の感じ、ものすごいものがあるよ。)

anyway, 熊からしてみると、「こんなにいい環境があるのか…!」と心打たれるらしく、しょっちゅう来るようになる。 「だって、居心地いいんだもん」という理由で。 だったらお前の部屋も柔らかくて温かい感じにすれば良いじゃんと私は思う。

逆もあるみたいで、私が相手の部屋に座っている所を見ると、私の体の形とか服とか、雰囲気とかとのコントラストで、相手は「うわっ、確かに俺の部屋、明るさとか華やかさとか、色彩が無さ過ぎる…!」って気がつくらしい。

何なんでしょうね、この巣作りの不思議。

どうしてこうも自分の一番大切な感じの感覚が溢れ出てしまうんだろう、部屋の中には。

不思議だー!!

No comments: